角川文庫<br> 恐るべき子供たち

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角川文庫
恐るべき子供たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 192p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041092460
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

◆享楽的で退廃的なムードが漂う第1次大戦後のパリ。高等中学に通うポールは、憧れの男子生徒ダルジュロが投げつけた雪玉で大けがを負ってしまう。◆同級生のジェラールがポールを家まで送っていくと、そこには、美しく奔放な姉エリザベートがいた。ポールとエリザベートは、社会から隔絶されたような「子供部屋」で、ふたり一緒にくらしているのだった。◆エリザベートと「部屋」の魔力に惹かれたジェラールは、その日から、ふたりのもとへ足しげく通うようになる。◆そこへ、ダルジュロにうりふたつの少女アガートがあらわれ、運命に吸いよせられるように4人の共同生活がはじまる。◆同性愛、近親愛、男女の愛。さまざまな感情が交錯するなか、4人はまだ幼く未熟であるがゆえに、たがいに傷つけあうことしかできない。◆やがて、ポールとアガートが強く惹かれあっていることを知ったエリザベートは……!◆20世紀のフランスで天才芸術家の名をほしいままにしたジャン・コクトーの小説を、西洋画家・東郷青児が美しく鋭い筆致で訳しだした名作。

内容説明

享楽的で退廃的なムードが漂う第一次大戦後のパリ。エリザベートとポールの姉弟は、社会から隔絶されたような「部屋」で、ふたり一緒に暮らしていた。そこへポールの級友ジェラールが入りこみ、さらにエリザベートの親友アガートも同居をはじめる。強い絆で結ばれながら、傷つけあうことしかできない4人。同性愛、近親愛、男女の愛…さまざまな感情が交錯し、やがて悲劇的な結末を迎えるまでの日々を描いた小説詩。

著者等紹介

コクトー,ジャン[コクトー,ジャン] [Cocteau,Jean]
1889‐1963。フランスの芸術家。詩人、小説家、脚本家、評論家のほか、画家、演出家、映画監督としてもマルチに活躍。前衛の先端を行く芸術家たちと親交を結んだ

東郷青児[トウゴウセイジ]
1897‐1978。日本の洋画家。10代で画壇デビュー。1921年ヨーロッパへ渡り、ピカソ、藤田嗣治らと交流。1928年帰国後は、画家、デザイナーとして活躍するかたわら、翻訳にも活動の場を広げた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鱒子

71
若いころに一度途中で挫折してしまった小説。当時は、自分と同年代の彼らの機微に全く共感できずに、投げ出してしまいました。今読むと——うん、すごく面白い!残酷さと刹那の衝動が蓄積され、迎えるクライマックスは、青いわ痛いわ脆いわ美しいわ。こんな小説を40代で書いたコクトーは素晴らしい。しかしわたしは、青年のことを大人が達観して書いた本であるという認識です。大人の目のフィルターがかかった、アートな小説だと思います。2021/01/07

里愛乍

64
子供とは純粋に、無邪気で残酷な思考で以って言動を起こすことがままありますが、本書はそんな癖の強い少年少女が描かれている。美少年で病弱、美しく奔放な姉。大好きなリーダー的な少年に酷い仕打ちを受けるとか弟が世話になった少年を罵倒する姉さんとか出だしから衝撃的で、案の定不幸しか見えない展開だらけなんだけど、独特の言葉運びが巧妙で軽快に読んでいける。なるほどコクトーは詩人でもあるわけですね。確かに解説にも連なっている彼の放つ言葉の数々は実に興味深く、目を引くものが多かった。2023/09/21

ちえ

46
第一次世界大戦後のパリ。年齢を重ねても「子供」のままのポールとエリザベート。二人に引き寄せられるように「部屋」に入り込むジェラールとアガート。「大人」を排除する姉弟の関係は近親相姦とも違うしカプセルのようなのか。破滅へと進む物語。最後になってダルジェロが絡んでくるのも運命かと。東郷青児の訳にその時代を(いい意味)感じるし、表紙のルノアールの絵はこの耽美的で背徳的な作品にぴったり。◆ガーディアン選書1000◆2023/09/08

Shun

40
フランスの詩人・小説家コクトーによる小説。初読では実に難解な内容に感じられ、解説を一通り読んでようやく朧げに見えてきたといったところ。時代は第一次大戦後のパリ、孤児の少年少女たちの戯れにはどこか未成熟さからくる危うさや背徳的な思想が感じられ、この子らの行いがどんな結末を迎えるのか常にヒリヒリとした印象を受けた。しかし物語を追って読んだだけでこの作品の魅力を掴むことはできなかった。機会があれば古典新訳文庫版の方でも読んでみたいと思います。2021/10/13

ビイーン

36
コクトーの小説詩は初読。決して大人になれない運命を背負う子供達の結末は悲劇で終わるしかないのだろうか。画家である訳者のあとがきが興味深い。「阿片を吸って、茫漠とさまよう空間には不思議と色を感じない」そう言われてみれば、無目的に刹那的に生きる彼らの純粋性からは私も白に近い灰色の世界観を思い描いていた。ラストは白系の背景のキャンパスに真っ赤な塗料の飛沫を叩きつけるのだ。2020/12/30

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