出版社内容情報
2011.3.11 未曾有の大震災の中、福島第一原発に残り、メルトダウンを食い止めるために戦った名もなき作業員たちがいた。彼らには、想う人たちがいた。オリジナルエピソードも描かれる迫真の小説版
内容説明
2011.3.11、東日本を襲った未曾有の大地震。押し寄せた大津波の影響で、福島第一原子力発電所は、全電源を喪失した。そんな中、刻一刻と迫る炉心溶融を食い止めるため、死地に残り、命を懸けて原子炉建屋に突入した、名もなき作業員たちがいた。心の中に、大切な誰かを想いながら―。一方、避難所では、作業員の家族たちが、余震におびえながら、奇跡を信じて待ち続けていた。オリジナルエピソードも描かれる迫真の小説版。
著者等紹介
周木律[シュウキリツ]
某国立大学建築学科卒業。2013年に『眼球堂の殺人―The Book』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
98
映画Fukushima50のノベライズ。あの未曾有な東日本大震災そして想定外の津波に襲われた福島第一原発。全電源を喪失した中での現場の戦いが描かれる。あの時我が市にもいわきナンバーの車が列をなしていた。テレビでは「直ちに人体や健康に影響を及ぼす数値ではない」と連呼され、私たちもそれを信じた。現地に首相が乗り込み混乱をきたす。さらには政府は現場の作業にも反対する。それに真正面から立ち向かう吉田所長をはじめとする面々。死を覚悟し守るべき者、地を思いながら立ち向かう姿には何度も涙した。感謝しかない。2020/10/23
ひほ
38
映画を見て思わず購入。映画と本で1Fで最後まで闘っていた人たちのことを知れてよかったです。あまりにも凄い話でどう感想を書いたらよいのかわからないです。もう少し寝かせてからじっくりまた書くことができたなら...2020/03/16
よっしー
21
図書館で見かけた一冊。福島第一原発で、地震の直後から必死になって福島の土地を守ろうとした人達の戦いが書いてありました。フィクションではなく、リアルに起こった出来事。単なる被災とは違うが故に、復興にはまだまだ時間がかかる。それでも、被害が最小限だったのはそこで必死になって守る為に尽力してくれた人達がいるから。読みながら涙が止まりませんでした。そこで働く人にも、当然のように家族があり、守りたい人もいる。それでも、その場で踏み留まってくれていた。本当に感謝です。2021/05/30
PAO
21
「全交流電源喪失!原災法10条を宣言します!」…あれからもうすぐ9年が経ちますが、あの時福島原発で何が起こったか振り返り、命を賭けて壊滅的な危機を回避するため戦った彼らがいてくれたことに感謝します。《放射能》と《ウイルス》の違いはあれど再び国家的災厄に見舞われている現在において、明日はどうなるかわからない…という不安に日本全体が包まれた当時の状況が蘇ってきます。現場を顧みず視察し「撤退など許さない」と恫喝した当時の首相は愚かだったかも知れませんが、少なくともその真剣さだけは今よりましだった様な気がします。2020/02/24
百太
20
映画は観てなかったのですが。そうか。。。2021/05/12