出版社内容情報
最悪の危機の中で生き残ることができるのか。未来をも予見していた問題作。
内容説明
ついに巨大地震が東京を襲い、富士火山帯の火山が相次いで噴火。対応に追われる日本政府は、海外に国民を移住させようと、密かに交渉を進めていた。一方、田所博士が中心となって立ち上げた「D計画」の一員となった小野寺は、潜水艦で海底の調査を行う日々を送っていた。ある日、防衛庁にある計画本部の総務室で、「日本列島は沈没する!?」という見出しがついた週刊誌を目にし―。日本はどうなるのか!?全国民必読のベストセラー。
著者等紹介
小松左京[コマツサキョウ]
1931年大阪生まれ。京都大学文学部卒。幾多の職を経て、62年作家デビュー。その後、日本SF界の草創期から現在に至るまで中心的役割を果たし、数々の秀作名作を発表。74年『日本沈没』で第27回日本推理作家協会賞、85年『首都消失』で第6回日本SF大賞を受賞。2011年7月永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
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ykmmr (^_^)
143
後半は、まさに、『日本沈没』であるが、政府の対応・科学者の見解・諸外国の対応。それぞれの役割や判断が『運命』を決めるのは言うまでもない。筆蹟が早く、目も回るわけだが、内容が内容だからそうであろう。これから起こりうる『日本』の顛末なのかもしれないが、災害の度に、海外には助けて貰えて、日本も日々お返ししているのは救いで、そこはあまり心配していない。一番心配なのは、政府対応かな。2023/03/21
エピファネイア
100
小松左京さんの名作に挑戦。地球のプレート下で起こっていることを説明した前半部分は苦戦した。フィクションと思えず、現実に起きる可能性があるか思わずググった。数万年単位で見ると可能性はあるようだ。昨日まで見ていた山が一瞬にして山容を変える、生活していた土地が水没する。我々はその時何を決断するのか。慣れない海外への逃避を選ぶか、母なる大地と共に生を終える覚悟を決めるか。今勤務している辺りは早々に沈没する設定だったのがショック。会社でハザードマップを思わず見直してしまった。沈没はなくても大地震への備えは必要だ。2022/04/28
nakanaka
64
大地震に伴う影響が事細かに描写されていて驚きました。人的被害、経済、政治、周辺国を含む国際情勢。凄まじいほどの知識量と徹底した取材に驚愕です。自然の脅威に対して人間は無力であることは分かりきっていますがここまで淡々と描かれると悲しくなってきます。作中にもある通り、長い長い地球の歴史の中で人間が知りえているのはほんの僅かなことだけ。いつ何が起きても不思議ではないのだと改めて考えさせられました。続編の第二部もあるようですがまずはこれでお腹いっぱいといった感じです。2024/05/11
活字の旅遊人
59
下巻。破滅が一気に進行する。その様子は、東日本大震災を経た日本人にはかなりのリアリティを持つものだろう。災害のみならず、新型コロナウイルス絡みの混乱も含め、国民の行動、政治と学問との関係、諸外国の思惑など、やはり令和の今こそ読んでおいた方が良い作品だと思った。戦争を経験した世代には、更に別の想いが重なっているだろうし。災害だから他国が助けてくれて当然、というのは能天気に過ぎるよなあ。1970年代の技術についてのその後、という趣旨の解説があって、これが参考になる。でも、カバーの新幹線はO系にすべきだよなあ。2021/12/14
ぼっちゃん
31
映画化、ドラマ化、アニメ化など何度もされており、来年日曜劇場でまたやるようですが、日本とはなにか、日本人とはなにか考え直すきっかけとなるような作品で、そのため何度もリメイクされるのが納得できました。2020/11/28