内容説明
人気推理作家を悩ませるのは巨額の税金対策。執筆経費を増やすため、小説の舞台を北海道からハワイに変えたり、ゴルフやカラオケの場面を強引に入れたり、物語はおかしな方向へ―。(「超税金対策殺人事件」)行き当たりばったりに書き始めたが思いつかない結末、うっかり使い回してしまったトリック、褒めるところが見つからない書評の執筆。作家たちの俗すぎる悩みをブラックユーモアたっぷりに描いた切れ味抜群の8つの作品集。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年大阪府生まれ。85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
233
【超おべんちゃら読書感想殺人事件】ミステリー小説を超パロディしちゃう、超抱腹絶倒な8短編。超変テコな方向性で小説が作られ、推理作家として命取りになっちゃったり、作家生命絶たれたりしちゃう、東野圭吾作品史上最高傑作であり、殺人事件小説の金字塔。なんて、感想載っけたら、読メ仲間に殺されそう...もう、殺してちょう...2020/04/19
ノンケ女医長
153
初めて読んだときは、反発してしまった。著者はいったい、読書をどう捉えているのかと。これほどたくさんの読者に愛され、評価され続けた著者ならではの苦悩と意見が、一番最後のページに「読書って一体何だろうな」と、登場人物を介して語らせているように思う。作品にあるように、表現を重ねて文字数を水増しする記載に、悲しい気分にもなった。「超読書機械殺人事件」に出て来る高機能読書マシン。2004年の時点で、やっぱり著者は時代を予想して先取りしているなと痛感した。他作品とは毛並みが違うけど、著者の大事な心象に触れられる。2023/03/30
修一朗
141
新装版が出たので15年前の東野作品を。そうかぁ昔はこんな軽いのを書いていたのだね。これまで読んだ東野作品で最軽。読みごたえは全くないけども楽しく読めましたよ。 電車で読むのにうってつけ。私も理系で根性読みをしてしまうことがよくあって,そこをぐさりと突かれてどっきり!の’超理系殺人事件’,作家と書評家と読者までも皮肉った’超読書機械殺人事件’がお気に入り。ブラックユーモア系の「〇笑小説」シリーズはまだ手付かずなのでこれから読みます。 2020/02/15
ガチャ
129
さらっと読める短編集! 作家さんが税金対策や売れる為の秘策として、書かれる必要のない話が続々と出てくるのは嫌だな。 ただでさえ読むのが遅いのに、無駄ばかりとは。 今回はその無駄な作業に一生懸命になっている所が笑えたのだけど。そして私は似非理系人間であることがわかった。ずっと勘違いしていたんですね。 くすっと笑えて面白かったです。2020/10/03
hiro
127
あの笑小説シリーズと同様、ブラックユーモア満載の「○○殺人事件」という題名がついた八編の短編が収録された、この『超・殺人事件』が東野さんの本を読み終えた記念の50冊目となった。今、本を読んでくすっと笑いたい方や、笑小説シリーズが好きな方にはお勧めだが、東野作品を初めて読もうとする方は、是非他の作品から読まれることをお勧めします。もし最後の短編に登場した高機能読書マシンがあれば、読書メーターの感想を任せたてみたいと思うが、この高機能読書マシンに興味を持たれた方は、是非「超読書機械殺人事件」を読んでください。2020/07/28
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