角川ホラー文庫<br> こわい本〈5〉執念

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角川ホラー文庫
こわい本〈5〉執念

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041089941
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

出版社内容情報

裕福な家に生まれたものの、母が亡くなり継母に育てられためぐみ。なぜか幼いころからずっと蝶が怖くて仕方なかった。父に連れられ母の墓参りのため別荘へ行くが、なぜがとても怖い。別荘は母が死にめぐみが産まれた場所だった。めぐみを嫌う祖母、そしてそこには壮絶な過去があった……心理的恐怖を描いた「蝶の墓」。田舎で暮らす小野さつきとかんなの姉妹が、おばあちゃんから村に伝わる民話的な奇妙な話を聞き、それが現実の事件につながっていく怪異譚の「ヘビおばさん」。楳図がかつて暮らした奈良県五條市や生まれ故郷の和歌山県高野町、幼少期を過ごした奈良県曽爾村などの風景と伝説が織り込まれた牧歌的要素の強い怪奇ファンタジー「山びこ姉妹」シリーズの第2弾。 ある日、おかねが渕で巨大なうわばみの姿となった女性にさつきとかんな姉妹が遭遇する。ある日、友人の家に遊びに行った二人は、友人の家に新しく迎えられた継母に会い……。【巻末特別企画】横尾忠則対談! 楳図かずお自身による作品解説&解題充実。書下ろしエッセイは清水崇監督!

内容説明

裕福な家に生まれためぐみは、幼いころから、ずっとなぜか蝶がこわかった。ある時、母の墓まいりのため父と別荘に行くことに。そこはめぐみが生まれ、母が亡くなった場所で蝶がたくさんいるのだった。やがて父が昔からの知りあいの女性を継母として迎えることになり…。視覚的恐怖描写から心理的恐怖描写への転換点となった「蝶の墓」ほか、著者の故郷を彷彿とさせる風景や伝説が織り込まれた民話的怪異譚の「ヘビおばさん」を収録。

著者等紹介

楳図かずお[ウメズカズオ]
1936年、和歌山県高野町に生まれ、奈良県五條市で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる。『漂流教室』ほかで小学館漫画賞受賞。一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ、“グワシ”は社会現象となった。このほか、数多くのヒット作を生み出す。その他、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、様々なジャンルで活躍中。2018年、『わたしは真悟』で仏・案ぐれーむ国際漫画賞「遺産賞」を受賞。また同年度、文化庁長官表彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鱒子

72
「蝶の墓」「へびおばさん」収録。蝶の墓は、寄せては返す丁寧な構成の作品。へびおばさんは、サツキとメイのような姉妹が出てきてほのぼのしますが、やはりホラーです。友達の家で手打ちの鍋焼きうどんは、なかなかレアかと(笑 巻末は横尾忠則さんと楳図かずおさんの対談。解説は「呪怨」でお馴染み清水崇監督。毎巻末がゴージャス!2021/10/30

keroppi

70
「執念」がテーマの第5巻。「蝶の墓」と「ヘビおばさん」の2作が収録。どちらも初読。ページをめくっていて現れる大きなコマ割りにゾッとさせられる。蝶が怖くなる。巻末には横尾忠則との対談が収めらている。ちょうど今朝のNHK「日曜美術館」で横尾忠則を取り上げていて、楳図かずおとの共通点を感じた。描く世界観が近い気もするし、同い年で、二人ともボーダー柄の服を好んで着ている。横尾忠則は対談の中で少年誌の絵物語が原風景だそうで、そう言えば、作品にそれらしきものを感じる。お二人とも85歳、まだまだ作品を発表して欲しい。2021/09/26

Vakira

47
【楳図かずお追悼読書】第3弾 「こわい本」の5巻目。「蝶の墓」「へびおばさん」の2作収録。昭和40年代頃の作品。今回は恐怖の理由は心理的原因。漫画の演出上手いですね。てっきりオカルトとか怪物ものかと思って読みますと実はミステリー。ヒッチコックとかアルジェントの映画のような感じ。少女が主人公で心理的恐怖物語だからアルジェントかな。今から約55年も前の作品です。確かに絵柄は独特の古めかしさがありますが、恐ろしいのは怪物ではなく、人間の欲望というオチが新鮮で素晴らしいです。このシリーズ完読したくなりました。2024/11/26

ぐうぐう

33
執念を描いた二作「蝶の墓」と「ヘビおばさん」を収録した『こわい本』第5巻。蛇や蜘蛛といった視覚的な不気味さを恐怖の装置にしていた楳図かずおが、蝶という綺麗で可愛い対象を恐怖に配置する意図は、そこに心理表現を持ち込もうとするためだ。その意欲的なチャレンジが、ものの見事に成功しているのが「蝶の墓」。恐怖の根源を探る展開は、ミステリとしての面白さを引き出していると同時に、心理的恐怖表現という高みへ楳図を、読者を導いていく。(つづく)2022/02/10

あたびー

33
「蝶の墓」「ヘビおばさん」の2篇収録。「蝶の墓」生まれたばかりのめぐみを抱いて二階のベランダから落ちて死んだ母。めぐみは病的に蝶を怖がる娘に成長した。やがてめぐみが黒い蝶を見ると災が起きるようになる。父の周りに黒い蝶を見た後父は失明、世話をする名目で継母が家に入り…。蝶を恐れる原因は解明されたが、災の前に蝶を見て予知するのはなぜだか分からなかった。 「ヘビおばさん」継母再び。昔継母というと本当に悪く取られることが多かったなあ。まあ、楳図漫画ではすべてトゥルーなんだけど。2021/10/04

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