出版社内容情報
エジプトで発掘調査を行う考古学者・峰の乗るフランス行き飛行機が墜落。機内から脱出するとそこはサハラ砂漠だった。生き残った6名はオアシスを目指して沙漠を進み始めるが食料や進路を巡る争いが生じ!?
内容説明
エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰は念願の石棺を発掘するが、見つかったのは死後数ヵ月のミイラだった。失意の中、何者かの襲撃を受け、峰は危うく難を逃れる。だが今度は講義先のパリへ向かう飛行機が墜落。そこはなぜかサハラ砂漠だった。峰は生き残った者たちとオアシスを目指すが、同行者はみな秘密を抱えており、やがて殺し合う事態に…。生存か正義か。究極の選択の果てに訪れる結末とは。徹夜必至の王道冒険小説。
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。99年に高校2年で自主退学し、同年、大学入学資格検定合格。2006年より江戸川乱歩賞に毎年応募し、14年に9回目の応募となる『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。デビュー作ながら「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門で2位、「このミステリーがすごい!2015年版」(宝島社)国内編で3位にランクインした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
149
そこはまるで夢幻の世界、見渡す限りすべてが砂、砂、砂…。考古学者の“峰隆介”は飛行機の墜落事故にあってしまう。しかも墜落した場所はまさかの砂漠のど真ん中。僅かな生存者と共に、生命をかけた旅路が始まる…。想像を絶する自然の猛威。闇夜に忍び寄る様々な生物。そして砂漠を縄張りとするゲリラの襲撃。だがただの冒険小説では終わらないのが下村流。砂漠に隠された陰謀が本書が訴えかけるとあるメッセージに結びつく。一瞬たりとも油断出来ない面白さ!興奮必至の展開!生き残りを掛けた極限のサバイバル。その結末をしかと見届けろ!2022/09/11
のり
93
考古学者の「峰」は石棺を発掘するが事態は暗転する。更にエジプトからフランスへ向かう飛行機がハイジャックされサハラ砂漠に墜落し、多数の犠牲者を出す。生き残った者は少ない食料と水で助けを求め砂漠を進むか・留まるかを選択。「峰」達6人は踏み出すが、それぞれ思惑が…無謀ともいえる行進。疑心暗鬼に陥り殺人まで…更に限られた水を巡っての対立やテロリストの追撃。想像を絶する苦行。生き残るのはまさに奇跡だ。2020/07/14
いたろう
65
旅客機の墜落により、サハラ砂漠に放り出された考古学者の峰隆介は、数人の生存者と共にオアシスを目指す。限られた水と食料、数日に渡る過酷な砂漠行という冒険譚だけでも十分スリリングだが、墜落で死んだ者が峰に残した謎の言葉、行動を共にしながら信用できない同行者たちと、ミステリ要素も強く、更に、追いつ追われつの活劇もあり、一時も飽きさせない。そして、単なるエンタメに留まらず、世界規模の問題を絡めた、スケールの大きい国際的な社会派ミステリになっている。下村さんの小説にハズレはないが、特に海外を舞台にした作品は面白い。2023/12/30
森オサム
52
サハラ砂漠でサバイバルする冒険小説なのですが、社会的なテーマも隠されており、正直微妙な作品でした。主人公に、この冒険を引っ張るだけの魅力が足りないのも原因だったかな。発掘調査を続ける事の難しさ、謎のヒロインの正体とロマンスの行方、最後に明かされる真相とその意味。ゲリラとの戦闘を繰り返しながらこれだけ詰め込めば、ご都合主義で無ければストーリーは進まないよね。登場人物は皆立場の違いこそ有れ、自分の正義に忠実な良い人たちでした。なので読後感は悪く無いです、裏切りと報復、失意と絶望が薄めの冒険でした。2022/04/23
Zann
49
★★★☆☆エジプトの研究をする日本の考古学者峰准教授。墓を掘り当て『大発見か?』を期待するも、中から出てきたミイラは何と現代人の自然によるミイラ。帰国しようとしたところフランスの有名な博物館から講義依頼が舞い込み、ここから思わぬ旅が始まる。強盗に襲われ脅され、先が見えない砂漠遭難、腹に一物も二物もありそうな仲間たちとの人間関係、命をかけたバトル。タイトルからすでに仕掛けられていた伏線が示す壮大な謎とは?!解が現れた時にとんでもなく震えた読み手の私なのだが、え、待って、これフィクションなんですよね?(39)2021/05/01