内容説明
広島県呉原東署刑事の大上章吾が奔走した、暴力団抗争から2年。日本最大の暴力団、神戸の明石組のトップが暗殺され、日本全土を巻き込む凄絶な抗争が勃発した。首謀者は対抗組織である心和会の国光寛郎。彼は最後の任侠と恐れられていた。一方、大上の薫陶を受けた日岡秀一巡査は県北の駐在所で無聊を託っていたが、突如目の前に潜伏していたはずの国光が現れた。国光の狙いとは?不滅の警察小説『孤狼の血』続編!
著者等紹介
柚月裕子[ユズキユウコ]
1968年岩手県出身。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
182
僻地の駐在に左遷された「日岡秀一」。平和ボケしそうな環境が一変する。世間を震撼させる暴力団抗争。その中心とされる「国光」との出会い。不思議とウマが合う二人。ガミさんの影響でヤクザとの取引に応じる。仁義を重んじる国光は犯罪者ではあるが芯が通っている。日岡は例の物を受け取り暴走に拍車がかからなければ良いのだが…2020/09/30
カムイ
170
前回とは違って今回は静で血みどろの描写は少なめになっていた。国光の任侠は昔だったら大喝采されるだろうが⁉️カムイはエンタメとして作品を楽しめた。ただ、刑務所の面会室での場面は腑に落ちなかった。そのお陰であら探しをする羽目になってしまったが😓概ね楽しめたのでよしとします😆さて[暴虎の牙]はと期待します。日岡のバイクですが、ヤマハのSR500は名機の1台なのですがあの単気筒の描写をもっとリアルに出してほしかったですね。2022/05/22
OSOGON15
143
『孤狼の血』に続くシリーズ第2弾。県北の駐在所に飛ばされて早2年、日岡巡査の前に姿を現したのは、日本最大の暴力組織である明石組トップの暗殺の首謀者とされる国光。メチャクチャ「仁義」。カッコ良すぎます。立派になった日岡の活躍が読めて良かった。面白かったですがスケール感が少々ダウンした感じでした。最後悲しい終わり方だったので困惑してしまった。2023/03/17
五右衛門
136
読了。凄まじいスピード感満喫しました。実際は田舎への左遷された主人公を描いていますがこのひりつくような疾走感が堪りませんでした。何かに追い立てられるような中で終盤までドキドキさせられました。がやはりこの渡世の世界。ハッピーエンドはあり得ませんでした。悲しみが哀しみを生み出しました。ちょっと何さらしとんじゃ!この終わり方で次回作は全く先が読めなくなりました。怖すぎます。せっかく 仁義 もっと言うと 仁 これを追い求めていたのに。一気読みでした。次も絶対読みます。2022/03/23
タツ フカガワ
135
前作から2年後、日岡は広島県の山間部で駐在所勤務に就いていた。同じころ暴力団の抗争は激化。明石組の組長が暗殺され、首謀者の国光が全国に指名手配されが、その国光が日岡の前に現れる。前作以上にピカレスク色が濃くなった内容で、日岡も清濁併せ飲む凶犬へと変わっていく。前作の大上刑事に代わって、今作では国光というワルがとても魅力的。こうした男たちの造形、筆力に圧倒されました。次作ではどんな男が登場するか、楽しみです。2021/06/07
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