出版社内容情報
顔を新聞紙で包まれ口に印刷用活字を押し込まれた遺体が発見された。被害者の自宅からは謎の暗号文も見つかり、理沙たちは文書捜査を始める。一方の矢代は岩下管理官に殺人班への異動を持ち掛けられ……!?
内容説明
古新聞に頭部を包まれ、口に13本の「仁」の金属活字を押し込まれた遺体が発見された。成果を挙げ始め、結束も高まってきた理沙たち文書解読班は、意気込んで捜査に取りかかる。理沙は古新聞で見つけた傷害致死事件の犯人で印刷会社社長との関連を疑い、収容されている男に会いに行くことに。一方で矢代は班の解体を目論む岩下管理官から念願の殺人班に来ないかと誘われていた。文字に秘められた哀しい真実とチームの行方は!?
著者等紹介
麻見和史[アサミカズシ]
1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
麻見さんの文書捜査官シリーズもはや6冊目となりました。今回は殺され方が異常な感じでの殺人事件捜査です。横溝正史を思い出してしまいました。口の中に13本の金属活字を押し込まれて頭は古い新聞紙に包まれての殺人事件でこのチームが出張ります。このチームを快く思っていない管理官から一員がスカウトされそうになりますがそれを断って事件を解決します。それなりに楽しめました。2019/11/27
タイ子
83
シリーズ第6弾。文書解読の活躍がどんどん外に出て捜査一課と同じような活動をし始めたのでますます面白い。今回は印刷関係の謎と暗号文。事件は割と簡単な繫がりで読んでる方も犯人は大体推理できるのだが、意外な真相が出てきてビックリ。それより面白いのは岩下管理官の存在。解読班を毛嫌いしている彼女にとって矢代を殺人班に誘ったり、解読班を解体しようと目論む姿が今後のシリーズにどんな影響を与えていくか楽しみ。いいですね、より強固になったチーム解読班。2019/12/30
雅
68
それぞれのキャラがハッキリ見えてきて、みんなの関係性も固まってきたのでスラスラ読める。事件も過去の出来事を発端とした復讐モノで、暗号があったりドラマ性があって面白かった2020/04/05
sin
58
タイトルの“愚者”とは犯罪に絡め獲られた者を指すのか、組織という枠の中で派閥と世間体に捕らわれた者を指すのか判断に悩む処だが、今回の文書解読班は暗号解読と云う相応しい役割から捜査を拡げて事件の解決に繋げていく…ところで、視聴したドラマのイメージが刷り込まれているので、どうしても登場人物とタレントを関連づけてしまう。役割や性別までもがシャッフルされているのでややこしいことこの上ないが、どうやらドラマの副題であった“未解決の女”と同じく残された調書から未解決事件に斬り込んでいくようでこれからの展開が楽しみだ。2020/06/09
坂城 弥生
46
この真相は切なすぎる…2021/09/08