内容説明
いじめを「いざこざ」と言い張る学校、責任回避に専念する教育委員会、不可解な第三者委員会―無責任な大人たちが被害を加速させている。SNSの普及で深く潜り込み、巧妙化する現代のいじめに、私たちができることはなにか。6000件超の相談を無償で受けてきた探偵がもう一人も犠牲者を出さない、という決意のもとに、本気で対策を考える。
目次
第1章 低年齢化し、過激化するいじめ
第2章 子どもを守る法律はできたけれど
第3章 学校の機能不全はなぜ起こるのか
第4章 子どもが被害にあったら/加害者だとわかったら
第5章 子どもを守りきるために
第6章 いじめを本気でなくすには
著者等紹介
阿部泰尚[アベヒロタカ]
1977年、東京都生まれ。T.I.U.総合探偵社代表。セクハラ・パワハラ被害やストーカー被害を主に受件。2004年からいじめ案件を手掛け、15年にNPO法人ユース・ガーディアンを立ち上げて無償で引き受けるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
scarecrow
2
「世界一受けたい授業」に出ていたので読んでみた。いじめへの学校や教育委員会の対応の杜撰さが書かれているが、それと同時に加害生徒の親はほとんど謝らないという話も書いてある。大変な時代になったものだ。学校より保護者の方が立場が上になった現在では、学校に任せていても解決は難しいのがよくわかる。こういったプロのいじめ探偵しか、もつれた糸は解けないのではないだろうか。寝屋川の教育委員会が独自の対策課を設けたらしいが、いじめの未然防止は学校が、起こってしまったいじめは、外部機関が対応する方が良いのかもしれない。2020/08/12
ゆきんこ
1
この本の著者は探偵である。実態調査をし、相談を受け、さまざまなケースの解決に携わってきた。 いじめのSNSの根源を調べたところから始まった。 いじめに関してあまに大人の認識が甘すぎる。いじめの定義は法律で決められているのに、知らない生徒指導の先生もいるようだ。第三者委員会がいい加減なものが多いのもわかった。 予防教育が大切で、より早くに発見し子供に当事者意識を持ってもらうこと、話し合える環境をつくっておくことが重要である。 2021/10/30
禅
1
「本来、加害行為をしたら、それは必ず『失敗体験』として学習させなければならないのだ。学校や保護者からこっぴどく叱られ、反省するよう促される。二度と同じことは繰り返さないと思う子もいるし、そこまで思えない子であっても、限度や加減を覚えていく。 私の感覚だが、子どもを叱れない、もしくは叱らない親が増えているように思う。その結果、誤った成長体験を持ったまま成長し、学齢が高くなっていくほど『いじめのキャリア』を積んでいく」 法律という盾はいじめ対応にどう関わってくるのか。探偵という「個を追うプロ」からの視点!2020/10/06
Kenichi Yamada
1
この著者の介入することになるいじめ事件の場合、加害者の親はまず謝らない、という。むしろ、わが子の弁護に終始し、学校や被害者家族に圧力をかける。 勝負ごとではないのに、なぜか勝とう、とする。 それを見て子どもも、逃げ切れてしまうことを成功体験としてしまい、ひどい場合は犯罪行為に手を貸してしまったものもあるようだ。 子を持つ親として、いじめの被害者になった場合だけではなく、加害が伺われる場合にどう対処すべきかを考える一冊。 子どもは親の背中を見て成長するのだから。2020/07/11
diet8
0
IT情報で虐め悪質化●2013虐め防止法●一方的で無いなら虐め2件●虐め法に罰則を●虐め防止に熱心な程出世せず認知増●2017加害児出席停止は小1中0●都教委は良いが文科省児童生徒課と関係悪●文科省と教委は法的立場同等●親が弁護士つけ戦った加害児は後に詐欺逮捕●虐め加害団下層は虐められぬため虐め、司令はキャリア積み犯罪●加害児親に当たる前に探りを●交渉や電話は録音●親は子の教育に第一義的責任●虐め解消3ヶ月●皆仲良くは同調圧力、虐め●小4-中3に虐め被加害9割●子供の権利条約子の最善の利益●寝屋川市監察課2023/08/21