出版社内容情報
68万人を超える入場者数。最長3時間半待ちの大行列。
記録破りの大ヒットとなった美術展「怖い絵」展。
いったい何が、そこまで人々を「恐怖」に駆り立てたのか?
名画に隠された物語・背景・人間の闇を、当該監修を務めた中野京子が
再び、深く濃く解説!
社会現象を巻き起こした、異色の美術展の「恐怖」と「興奮」がよみがえる!
内容説明
社会現象を巻き起こした「怖い絵」展の「恐怖」と「興奮」がよみがえる。
目次
モッサ『彼女』
ウォーターハウス『オデュッセウスに杯を差し出すキルケー』
ラウー『ソロモンの判決』
セザンヌ『殺人』
フュースリ『ミズガルズの大蛇を殴ろうとするトール』
ホガース『娼婦一代記:ロンドン到着のモル』
グッドール『チャールズ一世の幸福だった日々』
ジョン・マーティン『ベルシャザールの饗宴』
ロンドン塔、ジェーン、夏目漱石
モロー『ソドムの天使』
クリンガー『行為』
ローランス『フォルモスの審判』
ターナー『ドルバダーン城』
ワッツ『発見された溺死者』
シムズ『そして妖精たちは服を持って逃げた』
フューリス『オイディプスの死』
シッカート『切り裂きジャックの寝室』
ムンク『マドンナ』(リトグラフ)
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
作家・ドイツ文学者。北海道生まれ。2017年「怖い絵」展特別監修者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
126
この展覧会が2017年に開かれていた時に行こうと思ったのですが、絵画があまり怖くなさそうな感じと混んでいることなどから見に行くのを諦めました。この本で読んでみると、私がイメージしたとおりにあまり怖くはないのですが見たことのない絵が数多くありこの本で楽しめました。フュースリも2作が掲載されていますが、私はもっと怖い絵があるのを知っているのでこの「怖い絵」という題名があまりそぐわない気がしました。2021/03/27
あっか
82
新刊。怖い絵展の本当の締め括りに相応しい1冊でした!あとがきには中野京子さんたちが怖い絵展を開催するまでのご苦労や開催中のエピソードもあり、思わずウルッとしてしまいました…作品はどれもこれもインパクトがありつつも、どこの何が怖いの?と興味を惹かれるものばかり。過去の著作で既出の物も多いですが、解説に臨場感があり初めて見るように楽しめました。こう見ると、やっぱりメインはジェーン以外ない!と感じます^^2020/01/20
keroppi
81
「怖い絵」展って、2017年だったんだ。朝早く行って並んで見たのを思い出す。そこで見た絵を思い出す。「レディ・ジェーン・グレイの処刑」のインパクトを思い出す。絵の解説は、どこかで読んだものを思い出す。最後の「怖い絵」展ができるまでが、興味深い。こっちをもっと膨らまして欲しかったなぁ。それと、クリンガーの銅版画、あまり記憶になかったのだが、この本を読んで無性に見たくなった。2020/01/19
Nat
38
図書館本。あまり期待しないで読み始めたら、思っていたより面白かった。巻末の『「怖い絵」展のできるまで』で、開催できるまでの苦労がよくわかった。悔やまれるのは、「怖い絵」展を見逃したこと。2017年は、まだ美術展への関心が薄れていたころだったからか、全く開催に気がつかなかった。またいつか開催してくれないかなと願うかぎり。2020/09/11
シフォン
36
2017年に開催された「怖い絵展」を思い出しながら。中野京子さんは、表紙になっている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が来なかったら開催しないつもりだったとか。モッサの「エル」と「飽食のセイレーン」、オデュッセウスの「キルケー」、ホガースの「ジン横丁」は凄く記憶に残っている。怖い絵展に出品されたうち17展について、神話や時代背景、別の作品も引用したりして、くどいくらい解説してくれるのはありがたかった。2020/03/12