出版社内容情報
兄夫婦の家を訪ねた祐子は、久しぶりに地元の友人に再会し、「ドロボー」が律儀にチャイムを鳴らして家を訪ねてくるという都市伝説を知る。その日を境に、祐子の周囲で不穏なできごとが起こりはじめる……。
内容説明
「ドロボー」は律儀に呼び鈴を押して訪ねてくる。ドアを開けたら最後、身体の一部をもぎ取られてしまうらしい―。奇怪な都市伝説を聞いた祐子は、幼い姪が最近怯えている、左腕がない「キムラサン」との符合に戦慄する。オカルト雑誌の編集者とともに調査に乗り出した祐子は、封印していた自身の記憶が蠢きだすのを感じる…。底なしの憎悪に読む者を引きずり込む、理不尽かつ容赦ないノンストップ・サスペンス・ホラー!
著者等紹介
最東対地[サイトウタイチ]
1980年5月9日生まれ。大阪府交野市出身。飲食・小売業界を経て、出版社に勤務したのち、現在はフリーライター。2013年より執筆活動を開始。ホラーブログ『最東対地の嗤う壺』開設。第23回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞した『夜葬』がヒット作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
81
一人で家にいると、ドロボー(キムラサン)がやってくるよ。恋人や警察に化けてあらゆる手で扉を開けさせようとするけど、決してだまされてはいけないよ。開けるとドロボーはあなたの四肢の一部を奪っていくから…。デビュー作『夜葬』に原点回帰したような都市伝説ホラー。引っ込み思案な主人公が、兄夫婦の家で5歳の繭ちゃんの面倒を見ている内、事件に巻き込まれ、それは自らの過去とも関連して話が展開していく。うーん、こうして書いてても特に欠点はなさそう。が、淡々と読み進め、オチがやや唐突だなぁ、と至極冷静に読み終えた。おしまい。2019/11/03
HANA
67
「ドロボー」が律儀にチャイムを鳴らすという都市伝説。それを知った主人公の日常が変異し始め…。著者の小説は怪異が噂やその他を媒介にSNSを使いこなして主人公たちが追い詰められていくという話が多いのだが、今回はそれは影を潜め都市伝説自体を前面に出した造りとなっている。その為都市伝説と過去の出来事の関連やある集団の立ち位置とか割とわかりにくい。ただミステリならその意味がはっきりしないのはマイナスであるが、著者のホラーだとその曖昧模糊とした部分が独自の雰囲気を醸し出している。ホラーらしい理不尽さに満ちてました。2023/04/17
うどん
67
怖かったー!!面白かったー!!他の作品も読んでみます!2019/12/21
坂城 弥生
51
圧倒的な恐怖だった。大元もよくわからない、狙われた理由もわからない、理不尽な怖さ。2021/02/05
annzuhime
44
あいつは1人でお留守番をしてる時にやって来る。ピンポーン。来客を告げる音が鳴っても決してドアを開けてはいけないー。ピンポーンって文字がただただ恐怖の言葉に見えて仕方なかった。怪しい人物にはすぐに気付くけど、それがどうなっていくのか気になってどんどん読める。後半からの展開からは目が離せないけど、読んでる最中に鳴ったインターホンで心臓が止まるかと思った。2019/11/06