内容説明
孤児を引き取り面倒を見ている八丁堀の『忠孝園』。縁あって、武士の伊八朗が手伝いをするようになったある日、13歳の亮吉が園から姿を消した。その裏には、盗賊団の跡目争いがあり、亡くなった亮吉の父親の跡目を狙う輩が動いていた。その一方で伊八朗は、出て行った女房に幼い娘が引き取られ、酒に逃げていた男を立ち直らせようとするが…。様々な事情を抱えつつも、相手を思いやる親子を救えるのか。感涙必至の時代小説。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京都生まれ。「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
162
シリーズ第2弾!伊八朗が『忠孝園』に出入りしながらそこに暮らす亮吉や、ひょんなことから知り合った子・お初家族の事件に大活躍の巻だった。前作からすぐに読んだのでスムーズに物語に入って行けた。悪人の中には優しい者もいたが罪は罪。但馬屋の後添えに入ったお初の母・お新のことだけは上手くまとまりすぎの感が拭えない。但馬屋がいい人過ぎるだろう。このシリーズは【孝】・・親子を考えさせられる。『忠孝園』にはまだまだ沢山の子供がいる。2019/12/18
とし
83
八丁堀赤鬼忠孝譚「面影」2巻。養護施設「忠孝園」を手伝っている高井伊八朗、運営する室生祐源は父の仇竜崎又右衛門。今回は園出暮らす亮吉の失踪、忠孝園に向かう途中で知り合った7才のお初やがて大きな事件に結びつき最後はうまくまとまりましたね。2020/02/13
はつばあば
41
佐伯さんとは又違う魅力のある作家さんです。この方の「父からの手紙」「絆」が積読本になっていますが・・途中で退場してしまいました。が、時代モノはすらすらと読めるのはなんででしょうね。この孤児院にいる亮吉が盗人の頭領の息子ってことで利用されてしまいますが、悪党だからって子供にまで悪心を起すのは邪な気持ちをもつ奴だけですわ。盗賊の頭でも手下に好かれなきゃいずれそのうち・・・ねぇ、どっかで冷たくなって転がってますわ2022/07/06
真理そら
41
シリーズ2作目。盗賊団の頭領の息子の物語と妻に駆け落ちされた後振り売りをしながら娘を育てている父親の物語。美しい話のようにまとまっているけれど駆け落ちした母親にはもう少し苦しんでほしい気がした。2019/11/28
美月0217
21
伊八朗・・仇‥のことは私は言わず・・で この孤児院にいる亮吉・・今度はこの亮吉の周りで起こることに絡んでいくんだよね・・ すいすい読める・・次も気になる・・ 2020/02/01