内容説明
哲人ソクラテスとクリトンが、ある祝宴に招かれた翌朝。宴席にいた貴族の青年が、広場の中心で奇妙な死を遂げた。アクロポリスの裏では異国風の青年のバラバラ死体と、不可解な文字と模様が刻み込まれた陶器と円盤が発見される。謎の“ピュタゴラス教団”と、人造人間“ホムンクルス”の仕業か?都市国家・アテナイの命運をかけた大事件の真相に変人ソクラテスが鮮やかな推理で迫る!圧巻の長篇本格ミステリ。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。09年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つねじろう
71
ソ・ソ・ソックラテスかプラトンか〜♪ のプラトンの饗宴を下敷きにかのソクラテス先生が活躍されるお話です。よってギリシャアテナ文明で習った最後にネスとかテスとかトンとかが付く名前が沢山出て来るので混乱したり、高校時代の豆テストなんかを思い出したりもします。でもなんと言っても西洋文明の発祥の時分ですからそれらしき知的ムード満点です。また図らずして連続殺人の謎を解き明かす中心人物になってしまったソクラテス先生が持ち前のロゴスを駆使して理屈を述べ立てるので結構大変です。でも案外良く出来てるのでとても楽しめました。2020/11/20
Junichi Yamaguchi
33
『魔神』… 僕には少し難解で、登場人物の名前にも苦労した… ギリシャの歴史を勉強した方が良さそうだ。。2019/12/01
りー
24
古代ギリシャ。アテナイのソクラテスがホームズ、その友人クリトンがワトスン役として登場。ポリス内の連続殺人事件を解き明かしていく。ソクラテスの思惟は神々の存在理由すら喝破し、一見不気味に見える事柄の「つまらない」真実を解き明かす。人々が求めるのは分かりやすい物語であり、国家もまた物語に呑み込まれて運命を変えていくことになるのだという、今の日本にとっても警鐘となる内容。2023/06/24
スプリント
17
プラトンの著作である饗宴をモチーフにした推理小説です。 ソクラテスの奇人ぶりが目立ちますが洞察力にすぐれるなどホームズタイプの探偵ぶりを発揮します。2019/12/31
RINKO
16
読み終わった今は面白かったなと思うけど、読んでる最中は、どこに着地するか分からず、途中で挫折しそうになった。2020/09/27
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- 和書
- ほんとのおおきさ水族館