出版社内容情報
4年の沈黙を破り、『図書館の魔女』の著者が描く驚天動地のミステリ
「まほり」とは何か?
蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
『図書館の魔女』の著者が放つ、初の長篇民俗学ミステリ!
内容説明
「まほり」とは何か?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習。膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実。『図書館の魔女』の著者が描く、初の長編ミステリ!
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kou
295
知識が乏しいせいか、所々、理解が追いつかず頭が沸騰しそうになってしまった。それでも、先が気になり、読むのが止められない中毒性のある一冊だったと思う。勝手にジャンルはホラーと思い込んで読み始めたが・・・史実の方が、よっぽど怖いという事が分かった気がする(汗)。2019/12/31
Aki
246
図書館の魔女シリーズから待望の次作。発売直後に購入もなかなか紐解けず、ようやく手に取る。本作も一気読みの面白さ。漢文が要所で現れ、敢えて難しい言い回しも多用し方言も相まり容赦ないが、物語の力か読む手が止まらない。民俗学ミステリと銘打たれているが、想像以上に奥が深く豊饒な読書体験だった。2020/06/16
とろとろ
242
社会学や民俗学の調査手法や歴史文献の留意点など、かなり細かく専門的に言及し、それが中後半まで続く。物語の形をとった古文書学の入門書のようだった。とにかく候文と読み下し文が煩雑に現れて、しかもこれが物語の謎解きの根幹になっているので最初は真面に読んでいたけれど、後にはだんだん面倒になって、その後の解説文だけ拾って読んでしまう。しかし、こうした古文書や文献を著者が最初からすべて創作した訳でもあるまいに、原文を見ながら緻密な構成を考えた上でこうしたミステリーを創造したのだろうな。いや〜、さすが図書館の魔女!。2019/12/02
南北
225
「図書館の魔女」の作者によるミステリー。群馬県を舞台にした2つの話がやがて1つになっていく。途中で候文の古文書(すべて漢字)が出てきて作者らしく学問上の蘊蓄が語られるのもおもしろい。「誰もがさしたる根拠もなしに驚くほど簡単に怪しげな「常識」を信じ込んでしまうことが不可解でならない」という言葉がコロナ騒動の現代を語っているような気がした。最後の100ページほどはホラーの要素が強くなるが一気に読める。最後の1行もはっとさせられた。おすすめの1冊。2020/08/07
しんたろー
214
読メ年間ランキング10位なので高田大介さん初読み。久々に1冊読むのに4日以上かかったのは未知の漢字&知識に苦戦した為…民俗学や歴史書の文献解釈が多く、地の文も堅めなので、頭に入ってこない。物語は大学生・裕と中学生・淳の各々が、上州の何処かの山村でアチコチにある禍々しい蛇の目の謎と、村人に監禁されている謎の美少女の探索が二本軸で、ホラーチックな要素も悪くない。歴史に潜む陰惨さを表現した力作で、終盤のサスペンスも良かったが、冗長に感じるのが残念!裕の同級生・香織のキャラが救いで何とか読破。 #ニコカド20202021/01/03
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