出版社内容情報
善太郎との間に設けたお珠を久実に見せるため、五月女屋敷に向かっていたお稲は、何者かに襲われる。さらに、大黒屋に、大口の仕事が舞い込んでくる。善太郎はお家存続のため、事件解決に向けて奔走する!
内容説明
米問屋羽前屋の孫娘お稲は、善太郎との間に生まれたお珠を見せに五月女家へ向かう途中、襲撃に遭う。さらに取り調べでは、助勢した侍に五月女家が怪我を負わせたような筋書きにされ、善太郎には登城を慎むよう命が下る。一方、米問屋大黒屋に、旗本の日置家から新たな取引が持ち掛けられた。但し条件として、行方不明の米を取り返してほしいという。早速調査に乗り出した大黒屋だったが、その裏には―。シリーズ第3弾!書き下ろし長篇時代小説。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞し、以後、時代小説を中心に活躍中。2018年「おれは一万石」「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
113
入り婿侍商い帖シリーズの19作目。「新・入り婿侍商い帖」シリーズ(第二期)の3作目。 2020.02発行。字の大きさは…中。 小十人組の頭・棚岡右近は、米問屋和泉屋と謀って札差羽黒屋が扱う直参の給与である切米を無役の御家人らに奪わせた。その指図が明らかとなって、右近は切腹、棚岡家は御家断絶と決まった。佐橋内膳は、息子・右近を殺された報復に出て来た…。 米問屋羽前屋の主人・恒右衛門が長い闘病ののち亡くなり、五月女家の久実は、善太郎とお稲の祝言を祝福しつつ亡くなる(涙)2020/03/28
はにこ
26
大黒屋には米を盗んだ疑惑、五月女家には暴力沙汰の疑惑。罠に嵌まりまくり。以前は角次郎が頑張ってきたけど、善太郎、昌三郎、銀次郎など次世代が頑張る。娘達もしっかりしてきた。とてもめでたいことと、世代交代による悲しいことと両方を感じた。若者達の新しい生活を読むのは楽しみだけど、寂しくなります。2021/09/12
高橋 (犬塚)裕道
6
星3。まあめでたしめでたしと言うところか。2023/07/27
ひさか
4
2020年2月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ3作目。通算19作目。ここまでたどり着けて良かったです。祝です。2020/06/28
いえのぶ
3
早乙女家と羽前屋の継嗣問題で結婚ができない善太郎とお稲。角次郎たちを陥れようとした佐橋家は無役となり、代わりに役についた日置家が加増された年貢米の取引を大黒屋に持ち掛ける。百俵の年貢米の運送中に紛失する事件が起きる。継嗣問題と紛失問題はどのように解決するのか?2023/09/28