内容説明
「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第2次世界大戦中のビルマ北部。日本軍警備隊が駐屯することになったある山村で、ひとりの将校が殺害される。村人には死を伏せたまま、連隊本部から副官が派遣され事態収拾にあたるが、第2の殺人が起きてしまう。通訳を務める商社員依井の視点から描かれる正体不明の殺人者と協力者とは。第71回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞作!重厚繊細に描かれた戦争ミステリの名作!
著者等紹介
古処誠二[コドコロセイジ]
1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』で第14回メフィスト賞を受賞しデビュー。10年第3回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。『いくさの底』で17年第71回毎日出版文化賞、翌年第71回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三代目けんこと
45
戦争小説のミステリ。200弱の頁数で、狭い世界観であったがおもしろかった。解説によると、第18回ミステリ大賞の『屍人荘の殺人』とは僅か2票差だったらしい。2020/03/10
達ちゃん
30
古処さん初読です。短いけど濃い戦争ミステリでした。2020/12/08
torami
24
文庫化で再読。ビルマに駐屯中の日本軍の小隊で起きた殺人事件を描く。 幸いにして(?)大事な部分を忘れており、かなり新鮮な気持ちで驚くことができた。 終盤は本当に圧巻で、次々に明らかになる真実とその裏に秘められた思いに息を呑んだ。 悪いことをしたのは誰?どこで判断を間違えたの?犯人をどう処すればいいの?……様々な"?"が頭に浮かび、そして、その"?"が「戦闘状態の日本軍」というベールに覆われて姿を変える。 改めて、戦争小説としてもミステリーとしても素晴らしかったです。2020/02/04
Book Lover Mr.Garakuta
20
ミステリー作品は、苦手だけど再読。軍部の事情がよく分かる一冊でした。2020/09/21
Book Lover Mr.Garakuta
20
ミステリは、苦手だけど。第2次世界大戦モノ(日本帝国陸軍ビルマ戦線)で、興味本位で購入。軽い筆致(←初めて知った)で描かれた作品だそうだが、その根底の奥深さは感じて、面白かった。日本帝国陸軍の勢いがある時代の出来事だが、個人的には閉塞感を感じながら読む。ミステリ作品として、面白いのかどうか?は、分からなかった。2020/03/10