出版社内容情報
黙示録に記された世紀末を実現すべく、悪魔が、この世を滅ぼすことになる赤ん坊を外交官の一家に生まれた赤ん坊とすりかえた。しかし数年後様子を見に行くと、赤ん坊がいない!? 人類の命運やいかに?
内容説明
ヨハネの黙示録に記されたハルマゲドンを実現すべく、この世を滅亡させることになる赤ん坊を、うっかり屋の悪魔クロウリーが人間世界の赤ん坊とすり替えた。しかし11年後、様子を見に戻ってみると、なぜか子どもがいない!クロウリーはお人好しの天使アジラフェールとともに、子ども捜しに乗り出すが…。鬼才ゲイマンが英国ファンタジー界の大御所プラチェットとともに放つ、抱腹絶倒のブラック・ユーモアファンタジー。
著者等紹介
ゲイマン,ニール[ゲイマン,ニール] [Gaiman,Neil]
イギリス生まれ。アメリカンコミック「サンドマン」の原作者。世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ブラム・ストーカー賞など数々の文学賞を受賞している
プラチェット,テリー[プラチェット,テリー] [Pratchett,Terry]
1948年、イングランド南部のビーコンズフィールド生まれ。イギリスで絶大な人気を誇るSFファンタジー作家。2015年死去
金原瑞人[カネハラミズヒト]
岡山市生まれ。法政大学教授、翻訳家
石田文子[イシダフミコ]
英米文芸作品翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
78
アマプラで配信されているドラマが面白かったので読みました(今は吹替版をチマチマ、視聴中)。黙示録の成就(または天使と悪魔の戦いの決着)の為、アンチ・キリストが人間界に送られる。しかし、人間界での生活を謳歌していた天使と悪魔(どちらも、らしくない)はそんな事は真平で!『オーメン』のパロディでありながら、黙示録の舞台裏であり、韜晦に満ちた人生を送る人々の群像劇でもある。ドラマは原作に忠実でありつつ、更に細部を補完する作りになっていたんだな〜。でも余ってしまったBのその後が、原作ではハッキリと分かるのが何よりだ2020/06/07
HANA
69
ハルマゲドンの開始を告げるべく、アンチ・キリストをアメリカ外交官の家庭に送り込む悪魔クロウリー。ただ病院内でさらに取り違えが起きて…。『オーメン』のパロディなわけであるが、ギャグやユーモアの味付け風味が非常に英国風なため、合う合わないはあると思う。私?私はパイソンが大好きなため大喜びしながら読み進められました。こういう物事がどうしようもない方向に転がっていくの大好きだし、ドッグとの出会いの場面なんかお約束だけどそれが面白いし。登場人物の誰もがシニカルなようで間が抜けてるようで、非常に好感触でもありました。2019/11/08
ally
32
上下巻合体版をKindleで購入。面白かったです!聖書を元にしたドタバタ劇。言葉を操る天才なのでしょうかと何度も何度も思いながら、数日かけて読破。善と悪とかの概念が絶妙に変なバランスを保ってるあたりや、所々の言い回しで感動すること多々。長いし難しそうだったので翻訳版でしたが、大正解。翻訳者の方と著者2人の頭を借りて世界を見てみたいです。 要約すれば半分くらいの長さで済みそうだけど、これは物語そのものというよりその周りの細かい部分を楽しむ本なんだ、と勝手に納得しました。アメリカンゴッズもきになる!
瀧ながれ
25
「オーメン」てなんだろう(あの映画の主人公はダミアンだったよな)と思って調べてみたら、予兆というような意味らしい。「グッド」な予兆?何を示したタイトルかな? ハルマゲドンを実現させる反キリストたる赤ん坊が、権力者の赤ん坊とすり替えられようとしたとき、あるうっかりによって、同じ産院にいた一般家庭の赤ん坊と交換されてしまう。地球で暮らす楽しみを覚えてハルマゲドンに疑問を抱いた天使と悪魔とか、秘めた役目を実行する集団とか、終末を感じさせる不穏な作品なのにどうにもユーモラスで緊張感が続かない。下巻はどうなる? 2019/07/21
くさてる
18
ドラマは未見。あちこちに転がっているくすぐりがなんともふざけてスラップスティックで、ああ、そういう話かと飲み込むまでに時間がかかりましたが、納得してしまえば面白くて、どんどん読み進めることに。下巻に続く。2020/09/05