内容説明
日の本一の商人を夢見て、大坂の大店で修業していた清兵衛は、ある日実家の縮緬問屋に呼び戻され、つぶれる寸前の茜屋を立て直すことになった。何とか窮地を脱したものの、店の繁盛にはほど遠い状況。日本一の縮緬を織るという甚五郎と勘十郎の品を仕入れるため、腹違いの妹のお絹を頼って、清兵衛は交渉に赴く。だが、二人の職人はなんとも偏屈で、門前払いをくらう始末。清兵衛は、起死回生の方策で、二人を説得するが―。
著者等紹介
誉田龍一[ホンダリュウイチ]
1963年生まれ。大阪府出身。学習塾講師を経て、2006年「消えずの行灯」で第28回小説推理新人賞受賞。翌07年『消えずの行灯 本所七不思議捕物帖』(双葉社)で単行本デビュー。以降、ミステリー、時代物を中心に執筆。また児童書も手がけている。日本推理作家協会会員。操觚の会会員。本格ミステリ作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
46
信じられるのは親兄弟だけと言うけど~の部分で笑ってしまった。たしかに清兵衛にとって父と妹は要警戒の相手だもの。茜屋再建はなかなか軌道に乗らないけれど、敵役も含めて陰険さがないのでサラッと読める。堺の街の描写も丁寧。2019/10/06
サケ太
21
大坂商人のテンポの良さは変わらず。不穏な気配。仕入れた縮緬を巡る騒動。なんもかんも上手くいくわけではない。清兵衛は知恵をしぼって難問に挑む。理想は遠く、それでも挑む事はやめない。2019/08/01
tomtom
19
だんだん皆が一丸となって行ってるように感じる。商人は口が上手いなぁ。縮緬でこの先盛り返せるといいな。2023/07/03
maito/まいと
14
清兵衛奮闘劇、続編。今回も終盤まで押されっぱなしの苦しい展開。でもその中でも"基本"を守り続けるその姿勢は見習うところが多い。派手さよりも泥臭さ、したたかさよりも誠実さ。自転車操業から抜け出せない状況だけど、前作よりはきっちり危機を抜け出した・・・かな?糸割符制度のことなど、時代背景の中でも商機が見え隠れする演出が憎い(笑)前作からのメンバーは変わらず登場し、どこか抜けていながら、欠けると物足りない魅力を醸し出す。コネクションもつながりも全て大事。忘れちゃいけないなあ。2019/07/30
だいゆー
4
(^^;2019/08/02