出版社内容情報
昔、ある人が言った。呪いや祟りに期限など存在しないと。またある時、別の人がこう言った。人は自らの意思で、願いで、欲望で、神を造りあげることができるのだと――。10月半ば、拝み屋を営む著者の許に、電話で一件の相談依頼が舞い込んだ。依頼主は高鳥謙二。謙二は11年前、大きな災いにまつわる相談をしてきた女性で今は亡き、高鳥千草の元夫だった――。全てが終わったはずの忌まわしき災禍が、再び息を吹き返す……。
内容説明
昔、ある人が言った。呪いや祟りに期限など存在しないと。またある時、別の人がこう言った。人は自らの思いで、願いで、欲望で、神を造りあげることができるのだと―。2016年10月半ば、拝み屋を営む著者の許に、電話で一件の相談依頼が舞い込んだ。依頼主は高鳥謙二。11年前、大きな災いにまつわる相談をしてきた、今は亡き、高鳥千草の元夫だった―。全てが終わったはずの忌まわしき災禍が、再び息を吹き返す…。
著者等紹介
郷内心瞳[ゴウナイシンドウ]
1979年、宮城県生まれ。郷里で拝み屋を営む。2013年、「調伏」「お不動さん」の2作で第5回『幽』怪談実話コンテスト大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
119
怖さを取り戻した「拝み屋怪談」シリーズ。「花嫁の家」に収録の「母様の家」の続編。まずは前編という事で何本かの話が並行し展開。しかし、この作品は本当に実話なのだろうか。死が描かれる場面が多いので心配になる。よからぬモノを崇めて亡くなる女性。とある家系図での若年層の死の多さ。実話だとしたら恐ろしい。また、スウェットを着て立っている女性も気味が悪い。果たして、後編でどのように解決されるのだろうか。「拝み屋怪談」シリーズは一頃はタルパで読者が離れたと思ったが、怖さも戻り再び読書も増えるだろう。安定した怖さがある。2019/08/25
ちょろこ
106
最後まで見届けたい、一冊。やっぱり長編は飽きなくていい。時系列もバラバラ、しかもすぐに話はガラっと変わる。何が何だかわからない。それでも読み進めるうちにバラバラだったものが化学記号のように手を結び始める。あの時のあれがまだ…。なんだか千草さんの印象が変わったな。そして次第に姿を現わすあの時のあの災禍。自分史上最高の恐怖を味わったあの災禍。この先どんな化学反応が起きどんな恐怖が訪れるのか、ここまできたら恐怖よりも最後まで見届けたい、その気持ちでいっぱい。2019/08/05
ゆみきーにゃ
86
加奈江のお話しで懲りたけど、やっぱり買っちゃった。花嫁読んでないけど問題なし!どうなるの?どうなるの?2019/12/07
HANA
65
「花嫁の家」続編。前作は実話怪談というよりオカルトやサイキックウォーとして読めたが、今回もその感深し。本書は上巻に当たるのだが、現在の状況と過去の点景が交互に描写され助走として雰囲気を段々と盛り上げていく。この辺キングとかを連想させるなあ、主題が光の側にいるのがとある切っ掛けで闇と闘うみたいなところもモダンホラーを連想させられる。著者の他の作品と共通する点として、やっぱり著者独特のナルシシズムが鼻につくのだが、過去の描写とかが多い分「桐島加奈江」シリーズ等に比べると落ち着いてるかな。では後編を読みます。2021/03/07
らすかる
51
まさかの「花嫁の家」の続編!! 私が今までの人生で1番怖いと思った本のつづき! やはり郷内さんの本は長編が良い。「花嫁~」同様時系列や事象の場所が散らばっているので読み初めは「?」何だけれど、読み進めるごとに点と点が線で結ばれていくさまは鳥肌モノ。これぞ郷内作品の醍醐味!もう実話とかフィクションとか、どうでもいいの。こんなに怖くてゾワゾワして面白いのだもの。今回も早く図書館に返したい!なのに早く「陽」が借りたい!! 2019/07/30