内容説明
江戸は両国の見世物小屋では、“まことの華姫”が真実を語る―ともっぱらの噂。心の中にやむにやまれぬ思いを抱えた人々が、今日も真実を求めてお華の語りに耳をすます。外見と愛想は滅法良いが口の悪い姫様人形・お華と、その相方で話芸を繰り広げるヘタレの人形遣い芸人・月草。凸凹コンビの洒脱な人形語りで江戸の事件を快刀乱麻!市井に生きる人々の悲喜こもごもを描き出す新たな畠中ワールド、開幕!
著者等紹介
畠中恵[ハタケナカメグミ]
高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mariya926
126
なかなか面白い設定ですね。まさかまことの華姫が人形だったとは思いませんでした(笑)だけれども華姫の言葉はまことであると言われていて、人たちは見世物小屋までやって来てその話を聞きます。影の薄い月草も、過去があっても懸命に生きていて、たまーに冴えた推理力を見せるので事件がたびたび訪れます。雇い主の娘であるお夏も、父親との葛藤もこのコンビと出会ったことによって乗り越えられました。江戸時代の物語が好きですが、畠中恵さんの世界も楽しいです。続きが出たみたいなのでリクエストしてみます!2020/09/15
Rin
56
本当は意思をもってる?と思わず疑っちゃうくらいに、生き生きとした姫様人形のお華。お華はまことを知っている。だからどうしても知りたいことがあれば、お華に尋ねればいい。でもそのまことは、本当のまことだから本人には都合の悪い場合もある。そう言われても、どうしても知りたいことを抱えた人々が、お華を腹話術で操る月草のもとにやってきて事件が起きてしまう。調査をする時も、手繰り寄せた真実を語る時も月草はお華を通して語るから、読んでいてもお華が1人の人間として語っているように思えてしまう。ミステリとしても楽しめました。2020/03/14
優希
52
面白かったです。ミステリー仕立ての時代小説。ミステリーと言ってもライトで読後感も悪くありません。何より口の悪い人形・華姫とヘタレな人形遣い芸人・月草の凸凹コンビのやりとりがツボでした。2021/05/16
kyokyokyo3201
50
なぜだか、なかなか読み進められず苦戦してしまった。月島の存在感が薄いためか、華姫が月島を借りて「まこと」を語っているように思えた。シリーズが進むと登場人物たちに親しみが湧いてくるだろうか。2019/07/26
katsubek
48
軽め。さらりと読める。2022/08/10