里山奇談 あわいの歳時記

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  • サイズ 46判/ページ数 200p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041081914
  • NDC分類 147
  • Cコード C0093

内容説明

家族で帰省中の母親に突如襲いかかる、歯の根が合わないような寒気。初夏なのに、なぜ。幼い娘の奇妙な言葉の意味は?(「震々」)。渓流釣りの最中ふと見かけた、風景をかすませ、ゆるゆると移動する蚊柱のような何か。民宿の主人が話してくれた祖母の話とは…。(「ヤマンボウサマ」)。子どものころ神隠しに遭ったと噂の、近所にいたおじさん。夕暮れの道で少年が出会ったのは、土塊をむさぼるおじさんの異様な姿だった。(「ジコーさんのこと」)。自然公園で生き物観察中に夕立に遭遇し、四阿で休んでいると出会った、少年と白い犬が寄り添う微笑ましい姿。しかし奇妙なことに気づいてしまい…(「雨宿り」)。

著者等紹介

coco[COCO]
愛知県生まれ。漫画、文筆、写真家

日高トモキチ[ヒダカトモキチ]
宮崎県生まれ。漫画家、イラストレーター、よろず物書き。学習参考書の編集者を経てデビュー

玉川数[タマガワカズエ]
東京都生まれ。著書に『里山奇談』『里山奇談 めぐりゆく物語』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

65
シリーズ三冊目。怪談ではなく奇談、山川草木に纏わる奇妙な話を集めているのだが、どの話もとても優しい。春夏秋冬、季節の流れとそこに息づく生き物たちの生態。それが過ごした事のある遠い日々と我々が失ってしまった何かを連想させ、ここで語られているような奇妙な話も、そういう事もあるかな。とストンと納得させられる気になる。「おいぬ好かれ」「玉かんざし」「おしらさま」等、この世界のすぐ横に幽冥界があるという怪談は多いが、やはりここではそれがとても優しい。幼き時に過ごした日々を思わせるノスタルジアに満ちた一冊でした。2020/05/17

クプクプ

56
昆虫の愛好家が書いた本。私も虫屋なので、本を読み進めていくうちに、自分の中の懐かしい感情が引き出されました。遠い日の昆虫採集の仲間との思い出、ひとりで車で野宿したことを思い出しました。「ランドセル」子供の頃、クワガタのメスをブーチンと呼んだことを思い出しました。「ユスラウメ」ユスラウメの名前の由来の奥の深さに驚きました。「横切る蛇」ヤマカガシを題材にした不思議な話。この三つが秀逸でした。昆虫愛好家のライフスタイルを知るのに最適な本です。2019/12/12

澤水月

14
玉かんざし、鳥の墓…先の戦争の無念な思いと温かい人情との混ざる二話が印象的。おいぬ好かれ、予想外ラストに胸が…。全体に大変読み応えある生き物好き達が体験・見聞きした野山での奇談集第3弾。もしかしたら3弾目に取り掛かれるほどネタがなく、興味も失せてる書き手いないだろうか?理屈を述べ立てて字数稼ぎ結局あまり「奇」がなかったり、単に蘊蓄述べるだけだったり。それを他の人が補うとか抜けてもらうわけにはいかないのかな…本はいいのに濁り水ある印象2019/11/29

みんち

13
フィールドワークによる生き物観察という共通の趣味を持つ三方が、それぞれに聴き込んだ、或いは自らの体験による、ちょっと不思議でちょっと薄ら怖ろしく、それでいてどこか懐かしいような温かさを感じる物語の、待望の新作が登場。というワケで、coco氏・日高トモキチ氏・玉川数氏による共著『里山奇談~あわいの歳時記~』を読了。気付けばシリーズも早三冊目、正直こんなにロングセラーに続くシリーズになるとは思わなかったものの、それでも新作がと聞くと楽しみに待ち侘びている自分がいる。これからも定期的に書き綴っていって戴きたい。2019/11/09

ぶうたん

10
このシリーズは初めて読んだが、怖い話はほとんど無くて、怪談より民話に近いような。奇談でもなく普通の話も散見されるし。ちなみに本書では人間以外の生き物をフィーチャーしているようだった。後書きにもあるように、大人になると子供の頃の生き物、特に虫とか、との距離感が失われるから、余計に新鮮に感じるところはあるかもしれない。2019/11/21

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