出版社内容情報
双貌塔イゼルマに住まう至高の美を持つ黄金姫・白銀姫のお披露目に、エルメロイII世の義妹であるライネスも参加することとなった。三大貴族、冠位の魔術師、魔術と美、幻想と陰謀とが交錯する第二幕開演。
内容説明
双貌塔イゼルマに住む究極の美を持つとされる黄金姫・白銀姫。二人のお披露目パーティーに、エルメロイ2世の義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテが出席することになった。2世の弟子グレイをボディガードとして伴い、訪れた双貌塔でライネスを待ち受けていたのは、「時計塔」に影響力を持つ三大貴族の派閥抗争と、冠位の魔術師、そして予期せぬ殺人事件だった。魔術と美、幻想と陰謀が交錯する魔術推理劇第二幕。
著者等紹介
三田誠[サンダマコト]
ライトノベルの執筆を中心に活躍。近年では小説の執筆以外に、TRPGリプレイ形式の創作物『レッドドラゴン』のフィクション・マスター、漫画原作など、多岐にわたり活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズ
57
究極の美による根源への到達を目指すイゼルマ家が生み出した黄金姫と白銀姫のお披露目パーティーに出席する事になったライネスとグレイ。圧倒的なその美貌に耽溺しそうになるライネスだが、エルメロイ派への亡命を望んだ黄金姫が何者かに殺害され、容疑者にされてしまい…。『空の境界』の蒼崎橙子やステイナイトのキャスターのマスター等、他作品を知っていると彼らの登場に興奮を隠しきれないです。時計塔の派閥争いの構図も分かりやすい。苦悩続きの前半・中盤のライネスの考察を、終盤で補足訂正するエルメロイⅡ世の推理に希望の光が灯りますね2019/06/13
南北
53
シリーズ2作目。ロード・エルメロイⅡ世の義妹のライネスが内弟子のグレイを連れて、究極の美とされる黄金姫と白銀姫のお披露目パーティーに出席します。そこで殺人事件が起こり、ライネスが容疑者とされてしまうというところで、ロード・エルメロイⅡ世が登場となって、下巻に続きます。今回はライネスが語り手なので、ひと味違った雰囲気を出しています。それにしても魔術師は派閥争いが大変そうですね。2019/09/01
りんご
37
ライネスがグレイに優しいのが和む。チョコレートのくだりが特に可愛い。今回のライネス視点の描写でライネスのキャラが深まり、ぐっと魅力的になった気がする。『空の境界』しか読んでいないけど、蒼崎橙子の登場がなかなかインパクトがある。他の作品との繋がりも楽しめるところがいい。雑学も豊富で、勢力関係なども文字だとじっくり読めて分かりやすい。今回は、どの登場人物も怪しげな行動をしていて彼らの動向への期待も高まる。ただ何より格好いいのはあの人の登場シーンだよな。2019/12/26
瀧ながれ
27
ロード・エルメロイII世の義妹であるライネスが招かれたのは、絶世の美を実現した黄金姫と白銀姫のお披露目パーティー。ライネスは密かに黄金姫の訪問を受け、ある願いを聞くのだが…。黄金姫と白銀姫の美しさの描写が、小説の限界に挑戦した感じで、実に興味深く感じた。その後の黄金姫の描写も、なかなかゾクゾクしました。この上下巻はライネス嬢の物語かと思ったら、エルメロイII世が登場してすっかり流れを持っていったので、なんだかんだ言われながらも、有能な人だなあと思いました。下巻に続く。2019/06/22
花乃雪音
25
魔術師の本願である根源への到達に「美」をもって挑むイゼルマ家が体現した「最も美しいヒト」黄金姫と白銀姫のお披露目に訪れたライネスは殺人事件に遭遇する。魔術師の最高位グランド(冠位)であり数年前に封印指定を解かれた人形師蒼崎橙子が登場する。今回のミステリーとしてのテーマは「入れ替わり」になる、橙子は人間としか判別できない人形をつくることができるためライネスが見た死体は本物ではなく人形である可能性が出てくる。2019/11/04