出版社内容情報
ヤクザ絡みの依頼を請け負った二宮がやむを得ず頼ったのは、組を破門された桑原だった。議員秘書と極道が貪り食う巨大利権に狙いを定めた桑原は大立ち回りを演じるが、後ろ盾を失った代償は大きく――?
内容説明
“サバキ”を生業とする二宮は、元同級で議員秘書の長原と再会。大阪府議会議員補欠選挙での票集めを巡り暴力団組織・麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたと聞かされる。“その筋”の人脈で抑えてほしいという依頼を二宮は四百万で請け負うが、会には百人あまりの組員を抱える鳴友会が付いていた。二蝶会を破門された桑原に話を持ち込むが、元イケイケ極道の桑原もかつてない窮地に立たされ―。「疫病神」シリーズ第6弾!
著者等紹介
黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949年3月4日愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
今回は、建築コンサルタントの高校時代の友人(政治家の秘書)から暴力団への対応を依頼されます。そこへ相棒を巻き込んでの活躍ですが相も変わらずえげつない感じの政治家の動きが描かれます。安倍時代に話題となった森加計問題をほうふつと察せてくれます、相棒も今回の手柄(資金上納)で復帰します。2024/07/22
五右衛門
82
読了。久しぶりでした。迷コンビ復活!代紋の無い桑原、相変わらず貧乏神の二宮。毎回ハラハラドキドキの連続です。けれど今回は選挙絡み、利権争い。そこへ真打登場。徹底的に荒らしまくってくれます。作中に桑原の追い込みをカッコイイって木下とセツオが言います。ヤバイ。同じ気持ちでした。二宮は相変わらず女には弱い。けれど親父さんを慕っていた方々からはボンボン扱い。だからヘタレなのかい?今作も突っ走って割とハッピーエンドでしたね。次回作も暴れまくって下さい。内藤先生(ほぼレギュラー)次も無理言います。2021/03/10
森オサム
72
疫病神シリーズ第6弾。前作で破門となった桑原がどの様に暴れて、どうやって復帰するのか気になり、連続で読んで見た。やはり代紋が無いとやや控えめな暴れ方、かと思いきやターゲット相手に無茶苦茶してますね(笑)。ただ、堅気になると、稼ぐのも喧嘩するのもちょっと感じが変わりますので、本作はある意味番外編と言う感じもする。もしくは、作中の時間も空いていないし、前作と2冊合わせて一つの長いエピソードだと考えても良いかも。ヤクザもサバキの仕事も先は見えてる、薬や詐欺はやらんでしょ?。いよいよシリーズもラストスパートか?。2021/05/13
やっちゃん
52
このシリーズ、設定は現代だけど昭和の匂いが強くてそれが肌に馴染む。今作も桑原の言い回しは絶好調。イナイチなど北摂の描写も懐かしかった。「二宮くん、わしには信念がある。無理を通したら道理は引っ込むんや」2024/06/13
ピロ麻呂
52
疫病神コンビ、二宮と桑原が今回も笑わせてくれる(^^)政治家とヤクザ、利権と金…が今回のシノギのテーマ。贈収賄、金をばらまいて票集め、裏口入学、口利き…実際に悪~い政治家はいるんやろなぁ。2019/06/09