出版社内容情報
圧倒的な評価を集めた、第36回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作!!
内容説明
2020年、研究者の工藤賢は死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。モデルは美貌のゲームクリエイター、水科晴。晴は“ゾンビを撃ち殺す”ゲームのなかで、自らを標的にすることで自殺していた。人工知能の完成に向け調べていくうちに、工藤は彼女に共鳴し、惹かれていく。晴に“雨”という恋人がいたことを突き止めるが、何者かから調査を止めなければ殺す、という脅迫を受けて―。第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
著者等紹介
逸木裕[イツキユウ]
1980年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。2016年、『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yu
41
Kindleにて読了。AIで死んだ人間を再現する。選ばれたのは数年前に自ら作ったゲームの世界を現実世界に取り込んで自殺したゲームクリエイターの水科晴。彼女を調べていくうちにのめりこんでいく主人公がヤバかった。天才って変な人が多いんだね。話が長すぎて途中でやめようかと思った。結末もなんだかなぁ。2020/01/05
さばかん
30
三十路のおっさんの初恋から失恋までを長々と読ませられるこっちの気持ちも考えてくれよ……。 いやまぁしかし随分とひねくれた恋愛小説だこと。 そして驚愕のオチ! まぁまぁ面白かった。2019/07/30
おうつき
28
死んだ人間を人工知能として蘇らせる。そんなプロジェクトの対象に選ばれたのは自らが開発したゲームを利用して自殺をした若き女性ゲームクリエイター。主人公が彼女の調査を始めると、何者かから脅迫を受けるようになる。序盤は主人公の陳腐な天才設定が鼻についていまいち物語についていけなかったが、話の構成がかなり上手く途中からぐっと引き込まれた。大きな驚きを受けたり心を揺さぶられたりすることは無かったが、いい話だったなとしみじみ思う読後感。綺麗な恋愛小説だった。2019/08/09
くるぶしふくらはぎ
27
ゲームを開発した女性、水科晴が、そのゲームによって自死。ゲーム内の優秀なプレイヤーに自分を撃たせる。この物語の主人公の一人、AI開発者の工藤。死者を復活させるAIの開発プロジェクトが始動。死者のターゲットは晴。工藤が晴を理解する過程で、工藤は晴に恋をする。晴の願い・祈りの正体を探るミステリー。不思議な小説だった。2022/11/29
キムチ猫屋
25
確かに落としどころが分からず、先が気になって、どんどんページが進む。私的にまとめるとバーチャルな恋愛にどはまりしたオトナ(しかも自分で作ってしまう変態?)の話。かなりロマンチックでもある。晴と雨。恋愛の形は様々なのね。2020/12/22