出版社内容情報
シルクロードの考古学者は奈良山中で古代の鏡と剣に巡り合う。剣はキトラ古墳から持ち出されたのか。謎を追ううち何者かの襲撃を受けた彼女を救うため三次郎は昔の恋人を通じ元公安警部補に協力を求めるが。
内容説明
奈良・日月神社のご神体である剣と鏡の調査を依頼された考古学者の藤波三次郎は、鏡がトルファン出土の「禽獣葡萄鏡」と似ていることに気づき、ウイグル出身の研究者・可敦に協力を求める。2人は剣とキトラ古墳の繋がりを見抜き、古墳の被葬者の謎へと迫るが、可敦が拉致されかける。民族運動の指導者である可敦の兄に圧力をかけようとする中国政府の仕業なのか?キトラ古墳の謎と国家の陰謀が絡み合う、壮大なミステリ!
著者等紹介
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道生まれ。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しらたま
17
シリーズ物と知らず読了、前作も読みたい。キトラ古墳の被葬者の謎を解く物語。名作マンガ日出処の天子、天智と天武を思い出し、興味深く読めた。前作の2人(考古学・藤波、社会学・宮本)とウィグル出身の研究者、可敦との出会い。独立運動や国家の陰謀が絡み、スリリングに進む。三体の鏡に込められた思いが、時を経て感動を呼び起こす。可敦のミステリアスな魅力が光り、日本の平和さを痛感もした。2020/03/07
サラダボウル
15
考古学者のもとへ、奈良天川村の調査依頼がくる。ウィグル出身の女性研究者とともに、3か所(奈良、ウィグル、キトラ古墳)で見つかった鏡の接点を探る。飛鳥時代、現代。日本、中国、ウィグル。鮮やかな描写に引き込まれる。人との出会いと別れが、運命を変えていくことは、いつの世も同じ。物語はスリリングに、ダイナミックに展開。面白い!導入部、私には難しい言葉や歴史についての検索でスマホ片手の読書だったけど、すぐに平易な文章にうつり壬申の乱も目の前に見えるよう。良質なエンターテイメント、心に残る!2021/05/29
kuchen
15
『アトミック・ボックス』の続編。ご神体の鏡の謎に、ウイグルの問題が絡み、ロマンティックでスリリングなストーリーだった。時空を越えて語られる鏡に込められた想いは、壮大で、胸おどる。陰謀も一筋縄では行かない。前作に登場した人々のその後が分かるのも、活躍がみられるのも楽しかった。2020/03/02
スプリント
13
前作アトミック・ボックスを読んでいないので主要登場人物の経歴は作中でしか知ることができませんが、取り残されることなく十分に楽しむことができました。歴史の謎と、現代社会の民族紛争の実態がうまく絡まっており楽しめました。2020/07/11
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
12
令和 2年 2月25日 初版。。。続き物とは知らず購入ウイグルと鏡の歴史ミステリのようだが、歴史のほうを見れば興味深いのだが、ミステリとウイグル問題をてんこ盛りにしてかえってどうかなと思わせるのであった。2020/03/13
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