出版社内容情報
役者に大店の主、暴力男――。その縁、切って差し上げます。鎌倉・東慶寺は、縁切寺法を公儀より許された「縁切り寺」だ。寺の警護を担う女剣士の茜は、尼僧の秋と桂、寺飛脚の梅次郎らとともに、離縁を望み駆け込む女子の幸せの為に奔走する。優しく爽快な時代小説!
田牧 大和[タマキ ヤマト]
著・文・その他
内容説明
鎌倉・東慶寺は、幕府公認の縁切寺だ。離縁を望む女が駆け込むその寺に、前代未聞の騒動が。寺入りした人気役者の女房・お綱に会わせろと妾が乗り込んできたのだ。寺の警固を担う女剣士・茜らは事情を聴くと、亭主をとっちめるべく江戸に赴く!舌鋒鋭い秋山尼、記憶力抜群の桂泉尼、韋駄天と腕っ節が自慢の寺飛脚・梅次郎らとともに、茜は自身の過去と向き合いながら、女たちの幸せのために奔走する。心温まる痛快時代小説!
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒。2007年「色には出でじ 風に牽牛」(『花合せ 濱次お役者双六』に改題)にて第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
110
これまた爽やかな縁切寺での女性を助けるお話2019/03/16
はる
76
縁切寺を舞台にした物語。男女のドロドロした描写はあまり無く、謎解きサスペンスの色合いが強いです。主人公茜が凛々しくて格好いい。田牧さんの作品は登場人物がいつも魅力的ですね。それぞれ過去に事情があるようなので続編もありそうです。尼さんどうしのやりとりがNHKの「やまと尼寺精進日記 」みたい。2019/04/26
タイ子
76
縁切寺は知ってるつもりで知らないことが多かったです。理由あって女が男から縁を切りたいがために逃げ込んでくるお寺が縁切寺。そこで匿って終わりかと思っていたら、そこから今で言う家庭裁判所みたいな所で話し合い、縁切寺の尼僧たちが弁護士代わりになるという。へぇ~なトリビアでした。で、これは鎌倉東慶寺を舞台に色んな訳あり女性が駆け込み、尼僧たちと用心棒代わりの勇ましい茜が活躍するという物語。茜の過去を怪し気にチラチラさせておいて、最終章で解き明かすという、なかなか面白い作品でした。2019/02/09
真理そら
73
鎌倉東慶寺に駆け込んだ女たちを巡る短編集。続編も出ているので読んでみた。駆込ノ一は役者の妻の駆込みに妾まで参戦して楽しく読めた(でも役者関連なら濱次シリーズの続きが読みたいです)駆け込み女や影働きなどが登場するけれどテンポ良く話が進むので気持ち良く読める。2020/02/03
はつばあば
70
井上ひさしさんの「東慶寺花だより」、隆慶一郎さんの「駆込寺蔭始末」を読ませてもらった以上田牧さんの縁切寺もと。女にとっていつの世も縁切寺が心の支え。それが寺では無いが現在も必要とされているのは、この世から男を消してしまえということか??。でも現在は女性が強くなったらしく女性からのDVに、男性はどこに駆け込めばいいのだろうと心配する。こちらは水戸家のお姫様に仕える女三人がメイン。女三人寄れば姦しいといいますが、茜なる女性オモシロイです。この本ではいい亭主が登場・・もありますので男性の読み人さんも有りかと。2019/03/13