角川文庫<br> 夜の淵をひと廻り

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角川文庫
夜の淵をひと廻り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041075371
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

国内ミステリー1位!奇妙な事件を呼び寄せる巡査が紐解くサイコ・ミステリ国内ミステリー1位作品!(bookaholic認定2016年度)
異色のコミュニティ・ヒーロー「シド巡査」誕生!

「警察官だって怖いものは怖いんだよクソったれ」
すべてはみずから体験した記録だ。“シド巡査の事件簿”と銘打ってもらってもかまわない。
これはある交番警官の偽らざる所感記録である。だがそれだけじゃなく……。 
世界が逆転する麻薬的な味わいのサイコ・サスペンス・ミステリ。
「この世界が住みやすくなるように戦う人たちのことを“ヒーロー”と呼ぶんです」

職務質問と巡回連絡が三度の飯より大好きで、管轄内で知らないことがあるのが許せない、良く言えば「街の生き字引」、率直に言えば「全住民へのストーカー」。
西東京のいくつかの主要都市に挟まれたエアポケットのような地「山王子」のある交番で住民を見守るシド巡査のもとには、奇妙な事件が呼び寄せられる。
魔のバトンが渡されたかのように連鎖する通り魔事件、過剰すぎる世帯数が入居したロッジ、十数年にわたって未解決のご当地シリアルキラー。
普通の人々が暮らすこの街の片隅には、怪物の巣食う奈落がひそかに口を開けている。  
長年にわたる報復の連鎖、悪意のスパイラルを追い続けた果てに、シド巡査がたどりつくのは――。

真藤 順丈[シンドウ ジュンジョウ]
著・文・その他

内容説明

「警察官だって怖いものは怖いんだよ」。職務質問と巡回連絡が大好き、管轄内で知らない事があるのが許せないシド巡査の下には奇妙な事件が呼び寄せられる。通り魔連鎖、謎の多世帯居住ロッジ、十数年未解決のシリアルキラー。普通の人が暮らす街の片隅に怪物の巣食う奈落が密かに口を開けている。悪意のスパイラルを追い続けた果てにシドが辿り着くのは。新人賞4賞&山田風太郎賞受賞の奇才による異色の警察官サイコ・ミステリ。

著者等紹介

真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、その他に第15回電撃小説大賞銀賞、第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ別の作品で受賞。新人賞4賞受賞の快挙で、一身に注目を集める。2018年、『宝島』で第9回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

35
【物語12】真藤12作目。今度はミステリーだ。交番巡査を主人公とする連作短編集。謎解きの鮮やかさや主人公のハードボイルドさは真正ミステリーといっていいだろう。ミステリーとして充分楽しめる。しかし、やはり真藤らしさがある、というより全面展開されている。ミステリーという器でこそ、表現できたと言っても良い。それは、街の、住民の、社会の裏面に蠢く言いしようもない暗黒面を暴くことだ。警察官としてのキャリアの一生をあえて一交番員として過ごす(何と退職後も!)主人公は、その街の住民全員の表も裏もストーカーもどきで↓2021/10/12

らび

33
何といってよいのか。けっこうグロい所もあるんですがシド巡査のアクが強すぎるキャラ設定のせいかサラッと読めました。住民の事なら家族構成、職場学校趣味、そして友人までなんでも網羅している地域密着変態巡査。「う~ん、最近似たようなもの読んだな~」というのもありましたがハードボイルドでちゃんとミステリーで謎解きもしっかりある。会話文が「お前~でしょうか」などの言い方が気にはなりましたが私にとってこの作品は異色な出会いでした。2019/03/05

ぴかりん

22
Kindleにて。初読みの作家さんなので、慣れるまで少し時間はかかりましたが、凝った作りの連作短編ミステリでした。他の作品も読んでみよう。2020/03/05

くろねこ

15
おぉ、すごいタイムリーな作者さんだった? 初読みで、なんとなく面白そうだなって本屋さんで購入して相変わらずちょっと置いといてここ数日かかって読了。。 最初ちょっとイマイチ乗れなくて時間かかったんだけど、中盤から雰囲気が掴めてからは面白く読めました。 受賞おめでとうございます✨2019/01/15

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14
街の意思に、この世界の秘密を吹き込まれたひとりの警察官、シド巡査。果てしない職務質問と巡回連絡を繰り返し、街を舞い、彼が綴った手記は、まるで山王子のクロニクル。手記と街の歴史を紡ぐのは、正気と狂気。その境界線を今日もシド・ヴィシャスが踊る。2020/07/03

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