出版社内容情報
天才・樋口毅宏の会心作!2019年、45歳独身で人生に絶望したフリーターのトリコ。睡眠薬で自殺をはかって目覚めたのは、1989年の渋谷だった!トリコに幸せは訪れるのか? 林真理子、燃え殻も才能を認めた著者の会心作!
樋口 毅宏[ヒグチ タケヒロ]
著・文・その他
内容説明
2019年、45歳独身で人生に絶望したフリーターのトリコは、睡眠薬で自殺をはかった。だが、意識を取り戻したトリコが目にしたのは、バブル期まっただ中の1989年の渋谷だった。人生をやり直す決心をしたトリコは、その後不幸な結末を迎える憧れの2人組のミュージシャン“ドルフィン・ソング”の未来を変えるべく奔走し始める。果たしてトリコに幸せは訪れるのか?小説を革新し続ける奇才が挑んだ会心作!
著者等紹介
樋口毅宏[ヒグチタケヒロ]
東京都豊島区雑司ヶ谷生まれ。出版社に勤務したのち、2009年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。11年、『民宿雪国』が山本周五郎賞・山田風太郎賞候補となり、話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
31
初読みの作家なので知識なしで読んだが面白い物語です、カムイの青春がこの本にいっぱい詰まっていました、80年代の洋楽が出てきて楽しくて一気読みです、そしてタイムスリップものでパロディーも散りばめられその年代の人にはクスッとくるだろう、笑いだけでなくその当時の事件を織り交ぜながらストーリーが進む、主人公のトリコのがとった決断は、ちょっと納得はできないが終わり方としてはスマートなのかな、音楽が好きだと楽しめる本です。2020/10/05
かば
18
フリッパーズギターを元ネタにして、あの頃のあれやこれや固有名詞がモザイクのように結晶したまさしくサンプリング小説。パクリだ云々いちいち指摘するのもバカバカしくなる壮大なオマージュの数々だが、これぞ小沢小山田の2人が世をすり抜けてきた手法なのだろう。2019/01/28
Kazuko Ohta
16
年齢がバレそうな感想はあまり書かないようにしているのですが、本作ではどうにも無理(笑)。最初の頁の中原中也に吉田拓郎でニヤニヤ。目次を読んでいくつかでも拾える人ならば中身もそこそこは楽しめると思いますが、普通の一文の中に東電OLとか木綿のハンカチーフが出てくるから、それに反応できなければ読むのが辛そう。まさかのタイムスリップもの。45歳の独身女性がバブル期に戻ったら、こんなことあんなこと。なんだかんだで男目線、納得できない部分もあるけれど、ネタを拾うだけでも面白い。ツボはやっぱりミリ・ヴァニリ。ワラける。2019/04/11
のんちゃん
12
45歳、独身、クズ男に捨てられたトリコはこの世に未練もなく自殺を図る。が、目覚めてしまった、1989年の渋谷に。自身のタイムスリップの意味は、2019年の世界では、悲しい事態に終わった大ファンであったミュージシャンのドルフィン・ソングを救う事にあるとトリコは確信する。そしてトリコは行動を開始するが…というタイムスリップもの。私は洋楽の知識が皆無なので、その道に詳しく興味のある方なら私より100倍楽しめた作品だと思う。でも懐かしの30年前を思い出し、物語自体も惹き込まれる内容だった。2019/05/19
ベローチェのひととき
5
樋口毅宏さんの著書を初めて読んだ。洋楽のことはあまり興味がなく、わからない名前が多々出てきた。洋楽好きにはたまらないと思う。ただ1989年頃の描写がいろいろ出てきてとても懐かしく感じられた。2019/05/30