出版社内容情報
声優・斉藤壮馬の連載エッセイが、初の単行本化!注射も怖けりゃ点滴も苦手、「痛みに弱い」声優・斉藤壮馬が綴る「ボイスニュータイプ」誌の人気連載が遂に単行本化。約3年分の連載原稿と、本書のための書き下ろし&撮り下ろしも収録した自身初のエッセイ集。
斉藤 壮馬[サイトウ ソウマ]
著・文・その他
内容説明
「ボイスニュータイプ」誌連載より第1~12回を収録+WEBサイト「KIKI」連載より厳選収録+本書のための書き下ろし+地元・山梨での撮り下ろし。声優・斉藤壮馬、初めてのエッセイ集。
目次
第1夜 斉藤壮馬の健康で文化的な最低限度の生活(痛みに弱い人間なのです;失われた時を求めて;レインブーツを履いた日 ほか)
第2夜 斉藤壮馬のつれづれなるままに(ツウなかんじ;最高の時計;ホピ・シンクロニシティ ほか)
第3夜 夜明けの口笛吹き(カンバセイション・ピース;結晶世界;健康で文化的な最低限度の生活)
著者等紹介
斉藤壮馬[サイトウソウマ]
声優。山梨県出身。第九回声優アワード新人男優賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
39
3年分の雑誌連載と書き下ろしを収録したエッセイ集。ブログの文章とラジオのトークから彼の感性と表現力の面白さを知り、そこが好きになった最初のきっかけだった。本書で一層にその想いが深まる。若手声優というよりも本好き青年の何気ない日常や想いが前向きな観察力で(基本的には)楽しく書き綴られ、一編ごとに異なる雰囲気に彼の3年間の成長を感じた。若者全開の明るいノリ、文学青年の詩的な表現、そこはかとなく漂う厨二とサブカルの香り、どれも心地よい。本好きとしては「in the meantime」「結晶世界」が心に響いた。 2019/05/01
Moeko Matsuda
20
すごく良かった。知性と繊細さの間、って感じ。まだ若いのに役者としてこれだけ成功しているのは、彼にとってはこの上ない幸福であり幸運であり…同時にとんでもなく重い、運命的な何かなのかもしれない。彼がこれまでに作ってきた、完結しなかった物語の住人たちは、彼の中でどういう存在になってるんだろう。彼らは彼のことをどう思ってるんだろう。痛ましい、恨めしい、懐かしい、寂しい、恋しい…観念的な得体の知れないものと溶け合わずにいられないような生き方は、どこか身につまされるような、酷く羨ましいような、複雑な思いがした。2018/11/03
もぐら
18
興味や偶然に任せて手に取ったものや本が、思いがけず繋がった時の小さな発見と喜びを書いたシンクロニシティの話が好き。はちゃめちゃに分かる。真ん中にある知を目指して文学や数学や科学その他いろんなアプローチがされてきた感じで世の中の全部は根元で繋がってるんだろうな。知れば知る程この発見が起きて世界が面白いものでいっぱいになるんだろう素敵だね。あとその本って中島らもさんの本じゃないですか、どんだけ好きなの(笑) 水に似た感情の感想も聞けて嬉しい。好きな人の好きな本語り一生聞けます2019/12/29
とおこ
15
声優エッセイというのを全面に出さないつくりが好感触。書くことが好きなだけあって、すっきりとした文体でするすると読みやすい。日々の仕事や思うことがバランス良く配され、よく食べよく飲みよく読んでいる。まさしく健康で文化的な生活を徒然のままに書いてあって、彼の頭の中を少しだけ覗かせてもらえた。是非これからも書き続けて、文章やテーマなどをもっとブラッシュアップしたら良い具合に濃縮度が上がってさらに斉藤壮馬にどっぷり浸かれる気がする。そんな予感を孕んだ一冊。あっさり味で食べやすく大変美味しゅうございました。2018/11/23
香る
14
文章の書き方やひらがなと漢字の使い分けがすごく好み。 エッセイ処女だったのでようやく手を出せたわけだったが、なんでもない日常への幸せや苦しさ、歓びが彼の軽やかで素敵な文体で読めたので良かった。 好きです。2019/07/21