出版社内容情報
熊野のデビュー作に隠された謎が明らかに!連載が佳境を迎え、熊野は最終話を書きあぐねていた。スランプを脱出すべく善知鳥と行った取材先で不思議な声が聞こえるように。やがてある記憶がよみがえった熊野は、善知鳥の前から姿を消す――。
木犀 あこ[モクセイ アコ]
著・文・その他
内容説明
霊が見えるホラー作家・熊野惣介は、担当編集者の善知鳥の異動話を耳にしてしまう。善知鳥本人からの説明がないまま、ふたりはいつもの心霊取材へ。廃墟の水族館に現れる巨大未確認生物や、温泉に伝わる不死身の男の噂話を調べていくうちに、「不死鳥の胆嚢」という謎の薬の存在を知る。やがてある記憶がよみがえった熊野は、善知鳥の前から姿を消す―。熊野のデビュー作に隠された謎が明らかになる、シリーズ完結編!
著者等紹介
木犀あこ[モクセイアコ]
1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。2017年『奇奇奇譚編集部ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
76
2017年日本ホラー小説大賞優秀賞作品、シリーズ第3弾にして完結編です。2話目が不気味というか怖かったー!お話としては切ないんですが。1巻通して熊野と善知鳥が出会うきっかけになった熊野の投稿作品「怪鳥の丘」に通ずる話になっており、最終話でその秘密が明かされます。1巻目から善知鳥が好きですが(ツンデレなところもビジュアルも。笑)ますます好きになりました( ´ ▽ ` )絆が深まって嬉しい!これで熊野のことは知れたけど、善知鳥についてはベールに包まれている部分も多いので外伝で善知鳥スペシャルとか出して欲しい2019/01/31
眠る山猫屋
58
小気味良くシリーズ完結。“見えてしまう”作家・熊野と、その才能に魅せられた辣腕編集者・善知鳥の物語の終着点。“不死”というキーワードが徐々に変幻していく過程が物語を通じて昇華していく感覚は素晴らしい。何故、怪鳥の霊が熊野を追い続けてきたのか、持ち得ない記憶を蘇らせながら独りで立ち向かう決意をした臆病な熊野。ホラーとしての空気も尻上がりに上昇、独特な恐怖表現も面白かった。何より(若干の既視感はあるが)善知鳥と熊野のキャラクターが立っていたのが良い。善知鳥の過去はお座なりになったが。続編(外伝?)を期待か?2021/11/06
sin
54
相変わらずワチャワチャと怖がってはいるがこれは主人公の成長の物語でもあるのだろう?そして作者とどうやら作中作者は究極の怖いものを探しているらしいが…受賞作で視点を変えた霊の解釈を披露した作者は、その習いで今回も新たな切り口のスケールを大きく捉えた霊の在り方を提示するのだが、その内省的な語り口の解説めいた独白に彼が感じ取った恐怖は逆に共感を拒んでいるように思えてならない。恐怖は理屈ではなく、恐怖はただ恐怖として心を蝕むもので、その分析の試みは却って人を恐怖から遠ざけるのかもしれない。2023/05/04
坂城 弥生
32
唐突に前世とか出来てきたな、とは思ったけどめでたしめでたしで終わった。2019/10/01
Mie Tange
21
シリーズ完結編。 今まで曖昧でモヤモヤしてた部分がハッキリとし、 いい終わりだな~とは思う。 でも相方の生い立ち話ぜんぜん無くて残念。 まぁ読むのやめなくて良かったかな(笑)2023/03/28