出版社内容情報
検察、公安、捜査一課が一丸となって、国際社会の闇を暴く!ODAコンサルタントに従事する三人の日本人が殺された!密命を受けた特捜検事の芦名は、アフガニスタンへ飛ぶ。公安、捜査一課とともに捜査を進めると、日本政府を揺るがす裏金システムの存在が発覚し――。
笹本 稜平[ササモト リョウヘイ]
著・文・その他
内容説明
東京地方検察庁特別捜査部検事の芦名誠一は、アフガニスタンで起きた邦人殺害事件の背後に大物政治家がいたとの情報を得て現地に飛んだ。合わせて、捜査一課の中原と公安の沢木警部も現地入りし捜査に協力することに。地元警察はテロだというが、芦名たちは被害者を狙った殺人事件だと推察し捜査を進める。不安定なアフガニスタン情勢、アメリカの関与、政権からの圧力―。指揮権が発動される前に真実を解明すべく、芦名たちは持てる力を結集し事件に挑む!
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年、千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。2001年、『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞を同時受賞。03年刊行の『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くみこ
18
邦人三人がアフガニスタンで銃撃に遭い命を落とす。東京地検特捜部から検事の芦名、警視庁からは公安部の沢木と刑事部の中原が現地で合流、調査を始めます。アフガニスタンの国内事情に絡む日本政府とアメリカの立ち位置やODAの問題点などが、殺人事件の裏から炙り出されるストーリー。検事と公安と捜査一課のチームワークが清々しく、現実もこうあって欲しいと思いました。ここで暴かれるのは裏金システムです。2024/02/26
rosetta
18
★★★★✮アフガニスタンでODA関連企業の社員が殺された。テロか殺人か。東京地検特捜部、警視庁公安部、捜査一課からのグループがアフガンに渡り調査するが捜査権がなく治安の悪さもあって自由に活動出来ない。しかし大使館員、通信社記者らの協力で事件の裏にODA予算を巡る巨大な陰謀の存在を見つける。それは日本やアフガンの政治家の私服を肥やすだけではなくテロ組織にも流れている悪辣極まりない仕組みだった!誰を信じていいのか分からない中2転3転する事態にハラハラドキドキ。実際これに近い汚職はあるんだろうなぁ2019/05/26
コリディ
16
5点。笹本さんにしては、残念な出来。ODAがらみの不正にからむ、アフガニスタンでの殺人の捜査。途中まどろっこしいし、ラストも全然すっきりしない。タイトルに縛られすぎ。むしろ国策捜査くらいの方が良かったのでは。2019/10/26
jin
14
真保さんかと思った。山もなく冒険もない笹本さん。アフガニスタンを舞台にODAを巡る不祥事。官邸まで真っ黒。然もありなん。事件展開がゆっくりすぎて、3分の2は睡魔との戦い。最後の3分の1は一気読み。秋田にもうひと旗あげさせてあげたかった。キャラ活かしきれず。そして山村以外の中原、沢木の部下たちは果たして本当に存在していたのだろうか。言及さえもほとんどされないのになぜ登場させたんだ?うーん。不調なんでしょうか?次回作に期待。2019/06/19
たぬき君
13
アフガニスタンでのODAの不正流出問題の背後で起こった邦人殺害事件の真相を解明する話。展開が遅く内容も二転三転して最後もバタバタとした終わり方で残念です。私的には勧善懲悪度が不足している気がする。好きな作家さんだけに辛口の評価になった。2020/08/27