出版社内容情報
幼馴染みで作家となった今川が謎の死を遂げた。法律事務所所長の北見貴秋は、薬物による記憶障害に苦しみながら、真相を確かめようとする。一方、刑事の藤代は、親友の息子である北見の動向を探っていた──
内容説明
法律事務所を経営する北見貴秋は、薬物依存症の入院療養から戻った日、同級生の服部奈津から、幼馴染の今川出流の死を知らされる。今川は作家としてデビューを飾り、期待されていた矢先の出来事だった。彼は本当に自殺したのか。北見は、死の真相を確かめようと行動を起こす。一方、北見の父の親友だった刑事の藤代もまた、今川の死と北見の行動に疑問を抱いていた―。衝撃の結末が最後に待ち受ける長編ミステリー。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
521
死者まで出した大事件に巻き込まれた10歳の少年たちの25年後、再びそのうちのひとりが死んだ。自殺か、はたまた事件なのか。死んだ男は作家でとしてデビューしたばかりであり、作中彼の作品が入れ子的に使われる手法は、最近の流行りか。主人公がドラッグに溺れた経験があるという設定が世相をうつし、作品にもいい塩梅のひねりを与える。男同士の歪んだ友情、いつなんどき歯車が狂うかもしれない人生。伏線はそこここにあったのに(犯人はともかく)動機が最後まで隠されていた。お見事。2019/10/28
KAZOO
120
いつも感じているのですが、堂場さんの作品は警察官や刑事などが絡んだりする物語だと読後感がすっきりするのですが、どうもそれ以外の人物が主人公になったりするこの物語の様なものだとあまりすっきりとした感じを持てませんでした(刑事は出てくるのですが)。主人公に同化できないからでしょうか?2019/07/12
ユザキ部長
55
なかなか強烈な本だった。堂場さん、らしくないような、らしいような。主人公がヤク中って珍しく、読み始めは嫌悪感だらけだったが、衝撃的なラストだった。重い十字架を背負ったまま、人は幸せになる権利と義務を果たせるのか。考えるほど恐ろしい。2023/01/22
坂城 弥生
46
今川にはどう考えても悪意あったと思うけど。2021/04/07
kotetsupatapata
33
星★★☆☆☆ 500頁を越える大作! の割にはなかなか物語は進展せず、登場人物もあまりパッとしない面々で感情移入も出来ず、中盤で“もしかしたら結末と犯行理由ってこんなかな?”と最後までどんでん返しも無く想像通りのラストでした。 北見も結局グダグダと言い訳して、今後も家族と向き合う事を放棄するのでしょう という事で読んでいてこれといった感想もありませんが、まあいつまでも昔の事を引きずっていても仕方無いので、どこかで折り合いつけて生きていかないとね✨ 2022/08/04