鳥籠の小娘

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  • サイズ A5判/ページ数 45p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784041066072
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C0793

出版社内容情報

自由な心は誰にも奪えない。 ままならない世界の拠り所となる大人の絵本。村はずれで「幸福が宿る鳥籠」を作る娘はひとりぼっち。 嵐の晩、彼女のもとへやってきた魔物が「さびしい小娘よ」とささやきますが――。千早茜の幻想を宇野亞喜良の描き下ろし15点が彩る孤独と自由の物語。

千早 茜[チハヤ アカネ]
著・文・その他

宇野 亞喜良[ウノ アキラ]
イラスト

内容説明

村はずれで「幸福が宿る鳥籠」を作る娘はいつもひとりぼっち。ある嵐の晩、彼女のもとへやってきた魔物が「さびしい小娘よ」とささやきますが―。千早茜の幻想を宇野亞喜良の描き下ろし15点が彩る孤独と自由の物語。

著者等紹介

千早茜[チハヤアカネ]
1979年、北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。小学生時代の大半をアフリカ・ザンビアで過ごす。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で泉鏡花文学賞も受賞。13年『あとかた』で島清恋愛文学賞受賞

宇野亞喜良[ウノアキラ]
1934年、名古屋生まれ。名古屋市立工芸高校図案科卒業。1950年代から挿絵、広告、絵本などのイラストレーションの仕事に従事、また舞台美術など多方面で活躍する。主な受賞に82年講談社出版文化賞さしえ賞、89年サンリオ美術賞、2015年読売演劇大賞選考委員特別賞など。1999年紫綬褒章、2010年旭日小綬章受章。17年アーティストグッズブランドQXQXを立ち上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

220
千早 茜は、新作中心に読んでいる作家です。著者の絵本は、初読です。現代社会を風刺する大人の絵本、宇野 亞喜良の絵とマッチして独特の世界観、余韻が残ります。 https://www.kadokawa.co.jp/product/321710000607/2019/02/01

吉田あや

116
誰も裕福ではないけれど、誰も飢えることのないひっそりとした村のはずれに住む老婆と少女。色とりどりの刺繍を施した布を天に張った美しい籠はやがて幸福が宿る鳥籠と噂され、籠を求める人の欲望に包まれてゆく。そんなある日の嵐の宵に少女の元へやって来た魔物。砂糖菓子と少女の甘い声の名残に揺れる魔物の孤独な心はやがて…。「透明な鳥を飼う村」に漂う寂しさと花の香り、優しい光を籠へと持ち寄る蛍の光。儚く寂しい自由の美しさに夢心地で囚われてゆく。(続↓)2019/03/23

藤月はな(灯れ松明の火)

109
てっきり、表紙から宇野亜喜良氏による西洋的な絵だと思っていたらエキゾチックな絵で虚を突かれました。初めから老成しているような風貌と何ものにも染められない心を持つ少女。彼女が山奥で鳥籠を編み続けた事に祈りのようなものを感じました。人の幸せを見ては求め、欲しがり、その幸せを壊そうとする。そして大事だったものを失っていく業の深さ。全てが終わった後の光景は不純物に満ちた思惑がない分、美しい。果たして一番、囚われていたのは一体、誰だったのか?2019/04/29

nico🐬波待ち中

109
村はずれで一人、幸福が宿る鳥籠をもくもくと作り続ける娘の物語。人にとっての「幸福」とは何か。名声を得ることなのか、重い病が治ることなのか、はたまた大金持ちになることなのか。「幸福」の尺度はその人の気持ち次第。他の誰かと比べるものではない。魔物が「さびしい小娘」と決めつけた娘はやがて、鳥だけが自由に越えられる山を自らの意志で越える。そこにあるのは何物にも縛られない自由のみ。千早さんの文章に合わせた、宇野さんの独特の絵のタッチが物語をより幻想的に仕上げていて、読んでいてゾクゾクした。大人のための絵本だった。2019/03/31

みかん🍊

102
宇野亞喜良さんのイラストに惹かれて手に取った大人のための絵本、からっぽの鳥籠をつくり続ける娘の願いは自分も空っぽで自由でいる事、欲を出した村人の仕打ちは酷い、幻想的で魅力的なイラストと文頭の赤い文字も素敵でした。2019/02/17

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