出版社内容情報
発見された遺体の横には、謎の赤い文字が書かれていた――。「蟲」「品」の文字を解読すべく、所轄の巡査部長・鳴海理沙と捜査一課の国木田が奔走。文書解読班設立前の警視庁を舞台に、理沙の推理が冴える!
内容説明
顔面を殴打された遺体が見つかった。傍には「品」「蟲」の赤い文字が―。所轄巡査部長の鳴海理沙は、この文字を追う特命班として捜査に加わることに。被害者はIT企業社長と知り、文字がプログラムの「バグ」を表すと推理した理沙。だが赤文字が残された事件が再び発生、遺留品としてシステム不具合の内部資料が発見された。事件の解明に近づいたと思った矢先、第三の事件が起こり―。赤文字を残した犯人の意図を暴く!
著者等紹介
麻見和史[アサミカズシ]
1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
194
品・蟲・轟・晶・森・磊・・文字フェチ!文書捜査官・鳴海理沙のスタートはここからだったんだ。国木田とのコンビが面白かった。が、これらの漢字からみえるものは・・ちょっと強引かな。「何人か死ななくちゃ、世の中の仕組みは変わらないんだ」そうかもしれない・・そうかもしれないけれど、その為に事故の再現って、人の死をあまりに身勝手だと思った。自分のそばに理沙のようなタイプがいたら、分かるまでちょっと時間が必要かも(汗)2018/03/09
KAZOO
133
麻美さんの文書捜査官シリーズの2作目ですが、主人公が本庁に行く前の代々木警察署にいるときの出来事です。3つの殺人事件で文字がキーポイントになっています。私はそれよりもこの事件の元となったIT業界が本当にこんなにひどい職場なのかということをはじめて知りました。委託、再委託で期限どおりに仕上げなければならない、ということで品質はあとに置かれてしまうのでしょうか?まず品質ありきだと思うのですが。2018/06/28
のり
103
「鳴海理沙」が開眼するきっかけになった事件。殺害された後さらに一部損壊され、謎の2文字が残される。それも立て続けに3件も…被害者達には共通点はあるのか?相棒となった「国木田」と共に特命班として事件を追う。一人の死がきっかけで動き出した事件。システムエンジニアの過酷な業務時間には衝撃を受ける。それにしても文字フェチ度合いが当時からハンパなかった。2020/07/06
papako
87
文書捜査官シリーズ。これは前日譚なんですね。鳴海さんの前のめりな感じ、嫌いじゃない。犯行現場に残された赤い文字の謎。キャッチーなその謎よりも、残されたメモから辿る謎の方が良かった。文書捜査、ここからどうなる?3つ重なった漢字って『理義字-品字様』って言うんだ。この3つ同じ漢字って迫力あるよね。さてさてシリーズそのうち読みたいな。2020/06/28
あっちゃん
83
今回はエピソードゼロという事で、鳴海がまだ所轄にいた時の話、性格のせいか相棒のせいか主任の立場よりは似合っているように感じる(笑)あまり文字は関係なく普通の捜査をしているような( ̄ー ̄)2024/08/10