出版社内容情報
捕鯨問題の取材で南紀を訪れた浅見光彦。この地でかつて起きた殺人事件と心中事件。二つの事件の関連性を見つけた浅見は、秩父へと向かう。事件現場に見え隠れする青い帽子の女の正体とは――?
内容説明
捕鯨問題の取材で南紀・太地を訪れた浅見光彦は、「くじらの博物館」の展示物を見つめ歪に笑う青い帽子の女を目撃する。彼女の視線の先には背に銛が刺さった漁師人形。それはかつて、この町で起きた殺人事件の被害者と同じ姿であるらしい。さらに青い帽子の女は6年前に岬で心中した娘ではないかと言われた浅見は、真相を探るべく心中相手の新聞記者「アザミ」の故郷・秩父へ向かう。無関係に思える2つの事件を繋ぐ悲劇とは。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。07年、全著作累計部数が1億部を突破。08年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mintia
5
捕鯨問題を絡めたミステリ。浅見光彦の活躍が今回も楽しめる。後半謎が明らかになり、ハラハラドキドキしながら読むことができた。2020/12/28
とまほーく
2
面白かった。これを読んでまず、クジラ料理を食える店を探してしまった。意外とたくさんあるようで、今度行ってみることにする。話としては、なかなかの悲劇続きだったけれども、太地の海と、秩父の山を通して色んな伏線が1つにまとまっていくのはすごく読み応えがあった。2025/03/08
mmk
2
今回のテーマは捕鯨。捕鯨については概ね賛成であったのだが、やはり鯨(やイルカ)の姿を想像すると、反対に傾きそうになる。そんな風に色々と考える機会を与えてくれるのが社会派ミステリーの良いところ。作中に出てきた渋谷の鯨料理店。109の隣にあったのを知っていて、ふとどうなったかと調べたら移転し、店の雰囲気も変わったとのこと。新宿の滝沢ももうないし、時の流れとはいえさびしい限り。ただ、浅見光彦の魅力は永遠である。本を読む度に新しい浅見を発見する。2021/07/11
marino
2
go to 読書の都道府県の本で紹介されていたので読んでみました。浅見光彦シリーズはテレビドラマで見た事はありましたが小説は初読みです。なかなかテンポ良く読む事が出来、さすがの内田康夫氏作品でした。舞台にある太地町は子供の頃も何度か行き、くじら博物館も私の息子も何度も行きたがる程、大好きな場所です。ただ勝浦や白浜と比べると地味な感じがしますよね。事件は鯨捕虜問題が絡んでいて上手く東京ー秩父ー太地と繋げる技もなかなか良かったです。2021/03/06
mkt
2
★★★☆☆内田作品初読み。このシリーズいつもこんななのかな2019/06/07