出版社内容情報
絶品の料理と、暖かな想い。時代小説の期待の新鋭が放つ、傑作長篇。鎌倉で畑の手伝いをして暮らす「はな」。器量よしで働きもののの彼女の元に、良太と名乗る男が転がり込んできた。なんでも旅で掏摸にあったらしい。だが良太の料理は味わったことのないほど絶品だった──。
高田 在子[タカダ アリコ]
著・文・その他
内容説明
謎の失踪を遂げた夫の良太を追って、鎌倉から江戸にやってきたはな。だが、疲労と空腹のあまり日本橋で倒れてしまった彼女は、巾着を盗まれ、小石川養生所に運び込まれてしまう。失意のはなを見かねた御薬園同心の岡田弥一郎は、住み込みで働ける一膳飯屋「喜楽屋」を紹介するのだった。料理の腕を活かして、夫捜しを続ける覚悟を決めるはな。女将と客たちとも打ち解けた矢先「喜楽屋」である騒動が巻き起こり…。
著者等紹介
高田在子[タカダアリコ]
神奈川県横浜市出身。幼少よりプロ作家を夢見て、家事、育児、夫の社会保険労務士事務所の手伝いに励みながら小説を書き続けてきた。『認桜の武士 開花請負人』(白泉社招き猫文庫)にて念願のプロデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
103
読友さんのお勧めで手に取りました、流行り病で両親を亡くし一人で暮らす28歳のはなの元に急に現れた江戸から来た旅人良太、一緒に過ごすうちに心が通い合うが、ある日突然姿を消す、良太を探しに江戸へ出たはなは飯屋を営むおせいのもとに身を寄せる事になる、高級料理屋ではないので出てくる料理も素材の味を生かした素朴な料理、良太を思うはなの気持ちは一途ですが自分ならここまで追いかけず諦めるだろうな、まだ先が続きそうでシリーズ化される模様。ふろふき大根を食べたくなります、今晩の夕食に作ろうかな。2018/10/22
やま
97
料理が美味しく心があたたまり、一日の疲れがとれていきます。美人ではあるが大食いのため婚期を逃したはなが、夫・良太を探して江戸へ出てけなげに生きて行く姿を美味しい料理と一緒に書いた物語です。良太が、はなのもとに突然現れて情を交わし夫婦になり突然にいなくなり江戸へ良太を探しに行く。最後に良太を公儀隠密だと連想させる。この時点で昔読んだ「妻はくノ一」を連想した。はなの味ごよみは、随所に美味しい料理が出て来るところが違っている。シリーズ1作目。字の大きさは…小。2021.10.26~28読了。★★★☆☆2021/10/29
kagetrasama-aoi(葵・橘)
46
「はなの味ごよみ」シリーズ第一巻。鎌倉に住む大喰らいで料理上手のちょっと行き遅れの“はな”が主人公。突然紛れ込んで来た男、良太(こちらも何故かかなり料理上手)となんとなく夫婦となり、そして良太は置き手紙一枚で失踪してしまう。はなは江戸に良太を探しに江戸へ。江戸では小石川療養所の御薬園同心の岡田弥一郎と知り合い、その紹介で一膳飯屋「喜楽屋」で働き始め、良太を探す…という展開。なんだか、そんなに上手く行くの?と突っ込みどころ満載なんだけど。出てくる料理は素朴で美味しそうだし。良太に纏わる謎も気になるなぁ。2022/02/28
はにこ
44
親を亡くし、周りに縁談を勧められるも乗り気になれないはな。そんなはなの独り暮らしの家に良太という男が突然現れる。次第に惚れあうも良太は姿を消す。良太の消息を追うべく江戸に来たはな。良太を探す間、喜楽屋にお世話になることに!女の独り暮らしに勝手に入り込む良太、怖すぎ!っと思ってしまった。一体何者なんだろう。弥一郎の不器用な優しさにニヤニヤしてしまった。登場人物も魅力的で今後も楽しみ。2020/12/29
あっちゃん
41
思っていたより元気印の主人公(笑)年齢の割には考えが甘いけど、この直情型なタイプで攻めて行くシリーズかな?私的には良い人タイプの良太よりツンデレな弥一郎の方がいいんだけどなぁ( ̄ー ̄)2024/02/23