出版社内容情報
大丈夫、きみの居場所はきっとある。無口で人づきあいが苦手な理系女子のシーノは就職にあぶれ、就職相談員・蛇足軒の秘書になった。日々やってくる妙な求職者たちに、鮮やかな詭弁で適職を与えていく蛇足軒。それを見ているうちにシーノは……
松崎 有理[マツザキ ユウリ]
著・文・その他
内容説明
シーノは博士号とりたての理系女子。研究分野はマイナー、コミュニケーション能力極めて低し。就職先があるわけない。そんな彼女が採用されたアルバイトは特命就職相談員、蛇足軒の秘書業務だった。日々やってくる妙な求職者たちに、鮮やかな詭弁を駆使して適職を与えてゆく蛇足軒。だが、シーノの行き先だけがなかなか決まらず―。世界に自分の居場所は本当にあるのか、と悩むすべてのひとに贈る、少し不思議な就職小説!
著者等紹介
松崎有理[マツザキユウリ]
東北大学理学部卒業。2008年、第20回日本ファンタジーノベル大賞で処女作「イデアル」が最終候補となる。2010年、初の短編「あがり」にて、第1回創元SF短編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やす
10
松崎さんは異常論文の著者の一人なんだけど異常論文読んでる途中で松崎さんて読んだことあったはずだなとっぐっていたら引っかかった本。とてつもなく面白そうだったので回り道。オーバードクターになりそうなリケジョが嘘つき相談員に引っかかる話かと思ったら少し違ったけどなんかほのぼのとしつつも優しい世界のすぐ隣には厳しい世界が転がっているひやりとした感触もいい感じ。本書は読後感も大変よかった。2021/10/25
ひさか
8
2014年5月角川書店から刊行された「就職相談員蛇足軒の生活と意見」に加筆修正を行い2018年2月角川文庫刊。5つの連作短編。不思議な能力を持つ人の就職先を決める就職相談員とその秘書になった理系女子のお話。人工知能の就職相談というのもあって、笑ってしまいました。人を活かせる仕事はあるもんだと言うことを語る、軽い世界のファンタジーです。2018/07/25
yamakujira
7
寡黙な女子、シーノさんは、大学院を終えて博士号を取得したものの就職できず、貼紙に誘われて嘘道の家元の秘書というバイトを始めた。そして、家元の副業が特命就職相談員だったから、シーノも就職に困る特殊能力者との面談に立ち会うことになる。現代の貧乏博士問題にフィーチャーした物語かと思ったら、今より高齢化が進んだ時代だし、相談者は超能力者や吸血鬼だし、近未来ファンタジーだったのか。ホラホラ属をからめた理系ネタが欲しかったけれど、社会問題を笑い飛ばすような物語は、気楽に肩の力が抜けて悪くない。 (★★★☆☆)2020/12/22
夏月
7
ちょっと不思議なかんじ。読み辛いってわけではないけど、微妙な違和感がまとわりつく。別次元のどこかの話。仙台だとか、博士女子の就職難だとか、超高齢社会における生涯労働問題だとか、なにやら現代日本がこの先抱えるであろう問題が目白押しだけど、なんとも家元とシーノのゆるい雰囲気に飲み込まれてしまう。うん、まぁ、幸せならいいじゃないか、ね2018/04/14
あこ
6
あれ、また職安から始まるの?と思ったら、先日読んだ「就職相談員蛇足軒の生活と意見」をタイトルを変更して加筆・訂正して文庫化したとな。続編かと思って買ったのに。そんなのありかっ。同じ本を2冊買ってしまったという。もー。単行本の方が表紙もタイトルも良かったのに。もう一回読む気にはならないから、姪っ子にでもあげようかな。2018/11/04