出版社内容情報
「私、火星人なの」――必死なまなざしでそう語り続ける佐伯さんに、僕は恋をした。夏休みの数学の補修を一緒に受けながら毎日彼女のいる火星の白昼夢を見るほど、気持ちはつのるばかり。誰もいない校舎で、夜のグラウンドで、ゲームセンターで、佐伯さんとの距離はだんだん近づいていったが、彼女は自分の家のことを決して話そうとしないまま、別れの時が迫っていた。行き場のない想いを抱えた高校生たちの青春小説。
内容説明
「私、火星人なの」―必死なまなざしでそう語り続ける佐伯さんに、僕は恋をした。夏休みの数学の補習を一緒に受けながら毎日彼女のいる火星の白昼夢を見るほど、気持ちはつのるばかり。誰もいない校舎で、夜のグラウンドで、ゲームセンターで、佐伯さんとの距離はだんだん近づいていったが、彼女は自分の家のことを決して話そうとしないまま、別れの時が迫っていた。行き場のない想いを抱えた高校生たちの青春小説。
著者等紹介
小嶋陽太郎[コジマヨウタロウ]
1991年、長野県生まれ。2014年、信州大学在学中に、『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。現役大学生作家として話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
42
自分が火星人だと語る佐伯さんが気になって仕方ない国吉。突如数学で0点を取って留年の危機に陥った彼と、行き場のない想いを抱えた友人たちの青春小説。国吉が夏休みの数学の補修で毎日見る彼女と火星の白昼夢をきっかけに、急速に距離を縮めてゆく二人。彼らが積み重ねてゆくどこか危うい関係性が行き着いた、切ない現実が仄めかされる結末にはほろ苦さも残りましたが、国吉に邪険にされながら関わり続けることを選んだ高見の変化や、面倒見のいい相談相手だった山口先生たちとのやりとりも印象的で、著者さんらしさがよく出ていると思いました。2017/11/04
ばんだねいっぺい
29
市営グラウンドで走るのを見つめている高見さんがいてくれてよかった。2018/01/14
きたさん
23
自分は火星人だ、という女子と、彼女に惹かれていく男子の話。このあらすじが、読み始める前と読後で意味ががらっと変わる。とても鋭く澄んだ、綺麗な青春小説でした。火星の話も、おとぎばなしのようで美しかった。ジュブナイルの繊細さとラノベのリアリティを上手に兼ね備えていて、とても読みやすかった。2018/01/07
ツバサ
16
なんとも味のある青春SF作品でした。火星に行くという少女と付き人の距離感が良い。そして、付き人である主人公が最後に自分の未熟さを自覚して、大人へ向かって走っていくのは爽やかでした。絡んでくる友人、ギャルや先生はいい人達で暖かさがありました。2021/04/21
た〜
16
この著者の既刊本に「火星の話」というのがあり、未読だったので、その本の続編かなと思ったが、文庫化に伴った改題だったので安心して読んだ。うーむ、この本は「今夜、きみは火星にもどる」じゃなくて「火星の話」が正しいと思う。改題後のタイトルだといかにも最近の流行に乗っかった感じでちょっと薄っぺらい2017/10/28