出版社内容情報
川端 康成[カワバタ ヤスナリ]
著・文・その他
内容説明
夜中に響く「山の音」。死への予告かのように思い、尾形信吾は恐怖を抱くようになった。出戻りの娘と孫、復員兵の息子の堕落。複雑な家族の有様に葛藤する信吾は、息子の妻、菊子への淡い恋心を生きる支えとするようになるが―。四季の移ろいの繊細な描写、折々に信吾が見る、時に現実的な夢。次第に変化してゆく家族の人間模様。生への渇望とともに、万人に訪れる老いや死を、鮮やかに捉えた川端康成晩年の傑作。
著者等紹介
川端康成[カワバタヤスナリ]
大阪の開業医の長男として生まれたが、肉親と相次いで死別し、天涯孤独の少年期を送った。大正13(1924)年、東大国文科卒業。在学中より新進作家として注目されていた。日本の美と、女性の優しさを深く描出した「雪国」は海外でも評価が高い。昭和43(1968)年、日本人初のノーベル文学賞受賞。その4年後、72歳でガス自殺をとげた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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