出版社内容情報
離婚に傷つき娘と暮らす寧、年下の恋人のいる万起子、娘が口を利かない美香。夫を癌で亡くした崇子の料理屋には、今日もバツイチ女性が集まる。結婚、出産、離婚、人生の転機に必要なものを探りながら。
内容説明
離婚に傷つきながら娘と二人暮らす、寧。年下の恋人のいるスタイリスト、万起子。口をきかなくなった娘を抱え、スーパーで働く美香。ハイブランドに勤めるみどり。夫を癌で亡くした崇子の店には、晩ごはんを目当てにワケアりの女性が集まってくる。仕事の愚痴、子育てへの不安、熟年再婚の惑い。惑い続ける女性たちの「バツイチ倶楽部」が始まった!つらいことも多いけれど、仲間とごはんがあれば大丈夫。心あたたまる家族と友情の物語。
著者等紹介
石井睦美[イシイムツミ]
神奈川県生まれ。フェリス女学院大学文学部卒業。「ユリイカ」などの編集者を務めた後、『五月のはじめ、日曜日の朝』で第3回毎日新聞はないちもんめ小さな童話大賞・第8回新美南吉児童文学賞。『パスカルの恋』で第14回朝日新人文学賞(筆名・駒井れん)。サラ・マクメナミー『ジャックのあたらしいヨット』の翻訳で第53回産経児童出版文化賞大賞。『皿と紙ひこうき』で第51回日本児童文学者協会賞。『わたしちゃん』で第26回ひろすけ童話賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エドワード
28
離婚して独りで子育て中の寧と万起子は大学の同級生。万起子の小学生の息子と同級の娘を持つ美香は高級スーパーで働く。万起子が美香の店で高級な紅茶を買う場面、凡そ交わるはずのない接点が上手い。セレブな二人と美香が対称的で、「お嬢様に何がわかるのよ!」言っちゃうよね。そこに天才家庭料理家・崇子が加わり、四人の働く独身女が交差する人生模様。「今は辛いかもしれないけれど、いつまでも続くわけがないのよ。」自分に言い聞かせる言葉だ。一番苦労者の美香の思いがけない幸福。「子どもの言い分」の章が別視点から物語を回す面白さ。2018/09/02
小夜風
25
【所蔵】離婚、未婚、死別…シングルマザーの彼女たちがそれぞれ仕事や子育てや恋愛のことで悩んだり惑ったり。バツイチ女子会の軽い話かと思ったのですが、悩みは結構深刻で、どうすれば良いのかな、どうなってしまうのかなと一緒になってオロオロしているような気分でした。子どもたちがもう成人していて一歩引いた位置から「大丈夫」だよと見つめていてくれる崇子さんの存在が頼もしかったです。意外なのは出会った時にみんなお互いに「この女は嫌いだ」と思ってたこと(笑)。最後は涙涙でした。背負うのではなく手を繋いで歩いていくんですね。2020/06/02
メルル
21
シングルマザーたちの奮闘記。シングルマザーの頭の中をぐるぐると駆け巡る仕事と子育ての悩み。日々苦労しながらも、子どもや友人と過ごす日々が前向きで明るくとても楽しめた。シングルマザーに育てられている子どもたちの言い分も興味深かった。子どもは純粋で一つ一つの言葉を真剣に受け止めちゃうのに、大人って時々身勝手になっちゃうのが困りもの。ちょっとは見逃してよ(^^;) みんなで美味しい料理を食べながらワイワイするのって、本当に良いな。2018/02/05
さくら★もち
15
様々な境遇からシングルマザーとなった女性たちの物語。共通項はあれど生き方も考え方も人それぞれ。子育ての悩み、父としての役割を放棄した男への怒りや悲しみ、女であり母でもある自分との葛藤による苦しみと、ふと感じてしまう後悔。誰にもわかるわけがない。それでも語り合える同士がいるということは、彼女たちにとって大きな力でありいい関係。縁と運で今がある。いいことも悪いことも長くは続かない。辛い時こそ頑張ってご機嫌に生きる。私自身、ひとりの女性として力強い教訓を得ることができました。2021/02/11
空
11
シングルマザーにもいろいろ。 辛い時、困った時に助けてくれる親が居る人は心とカラダの余裕が違うと思う。夫に先立たれた崇子は優しい夫と親に恵まれてゆったりと生きてて、夫に先立たれたあとも周りの助けで生きている。本人は辛い、悲しいと言っているが、なんと恵まれていることか。 本当に辛い人は辛いって気軽に言えないんだろうな。子供は親を選べない。どんなに辛くても。社会全体で子供を育てられる世の中になったらいいのになあ。2022/10/24