角川文庫<br> 虚栄〈下〉

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角川文庫
虚栄〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041061411
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

がん治療開発国家プロジェクトは、治療の主導権を巡り内紛状態となった。その現実に胸を痛めた外科講師・雪野は、内科医の赤崎に相談するが、赤崎は雪野を利用し内科が有利になるよう画策をし……

内容説明

外科医・雪野は手術支援ロボットHALの医療訴訟で真実を明らかにしようとし、窮地に立つ。その最中、凶悪がん治療国家プロジェクト・G4の主軸となるがん治療の権威が、次々がんに罹患。患者となった途端、自らの提唱する治療法に逆行する言動を見せ始める。一方、雪野の同級生で内科医の赤崎は、凶悪がんの原因を電磁波とする論文を発表し、大波乱を呼び起こす―。国家プロジェクトの行方は?息詰まる医療サスペンス!

著者等紹介

久坂部羊[クサカベヨウ]
大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー。医療分野を中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみん

79
医療が進歩している様で未だに判っていないがんの本質。外科の雪野は執刀しながらもがんに個体差があるとは感じていた。赤崎は自ら捏造したデータの論文で身を滅ぼす。首相の急逝に寄りプロジェクト凍結、代わりに「突然死0プロジェクト」へ。それは今までの争いが脳・心臓・メタボリックシンドロームチームへ様変わりしただけ。医学の虚栄を巡って、高額の医療機器を売り込む企業、製薬会社、献金を受ける政治家、そして誇大に持ち上げたり貶めるメディア。17ページにも及ぶ参考文献凄い。2020/05/31

アッシュ姉

77
久坂部さん13冊目。がん治療の現状や問題点など分かりやすく理解できて、今後のあり方について考えさせられた。『悪医』とともに一読をオススメしたい作品ではあるが、がんと向き合う心構えや勇気をもらえるというよりも、希望や幻想を打ち砕かれて不安が大きくなるかもしれないので万人向けではない。真がん偽がん、放置療法、がん凶悪化の理由など興味深い説に引き込まれたが、現実味があり過ぎてちょっとめげる。小説として読むなら『廃用身』『破裂』のような突き抜けた久坂部節の方が楽しめて好き。2018/06/29

五右衛門

63
読了。上下巻通じて医療の最先端のトップの方々の独占欲、傲慢さばかり際立ち、がん治療は?二人に一人はがんになる時代で患者置き去り、ありそうな設定で寂しいような、怒りが湧いてくるような感じがしました。終盤にけれど医療、特にがん治療は解らないことが多いと言う事が解ってきた所で現代の医学ではここまで、って言われ案外ストンと落ちた様な気がしました。病気と闘うのも一つの手段、すべて受け入れるのも一つなのですね。けれど調子悪くなって受診した時に不安しか無いのでもう少し患者の気持ちもわかってくれる医師に当たりたいな~2019/05/22

坂城 弥生

51
医者でも人によって言っていることが違っている。それはハッキリわかっていないから。ならば医療を受ける側が自分で納得した方法を選ぶしかないんだろうな。2021/08/19

Yosshiy

40
癌治療の選択肢として手術、抗ガン剤治療、放射線療法、免疫療法、保存療法とあるがどの治療にも一長一短があり、ならば各科が連携し合って最善の治療してくれれば良いのだろうが、そう言うものでもない世界なのだろうと思わずにはいられない内容。患者の為の医療であり治療であって欲しいのだがなぁ。著者は現役の医師だけにリアルですね。虚栄というタイトルぴったりの作品でしたが、生死を扱う世界だからこそ虚栄心のない現場であって欲しいと願う。2018/09/14

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