出版社内容情報
荻原 規子[オギワラ ノリコ]
著・文・その他
酒井 駒子[サカイ コマコ]
イラスト
内容説明
特殊な家系と力を持つ子女が通う鳳城学園で結成された「チーム姫神」。陰陽師、忍者、山伏の生徒で構成され「人間の世界遺産」を審査する視察団から注目を集める存在だ。その中心人物・泉水子が深行との交際を進めたことを知り、真響はチーム内のバランスを危ぶむ。合わせたように大規模なスケート教室が計画される。スポンサーは真響の実家・宗田家。一族の思惑に戸惑う彼女の前に現れたのは。傑作短編も収録した待望の続編。
著者等紹介
荻原規子[オギワラノリコ]
東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞JR賞、日本児童文学者協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アルピニア
72
番外編3篇は、本編では描かれなかった深行の本音にニンマリ。表題作は、真響を主人公にした続編。真響を守るためにチーム姫神が結束する。最強の力で悪霊を祓う真澄、その力を広く深く包み込む泉水子、真響と同じ苦悩を乗り越えたからこそ彼女の心を引き戻せた深行、奔放さで導く真夏、ひたすら裏に徹する早川、そして表の顔を演じ抜く高柳。みんな本当に頼もしい。「姫神ってまだスケートをしたことがなかったのかも」。泉水子の「はじめて」の物語は人類の未来を変えていく。読了後、7冊の表紙(酒井駒子さん)を眺めて余韻に浸るのもまた至福。2020/04/23
不自他
58
以前、単行本で読んだので2度目の読了。まず、文庫版の薄さが読みやすくて嬉しい。 初読時は真響さんの中編が印象的だったけど、意外と深行君の視点が1番面白いかも。環境への適応に長けた彼が、その都度周りを見渡してあれこれ推察する独白は興味深く、優れた語り部だと強く思った。あと、『本音を言うなら、ずっと手を握っていられるだけでもスケートは偉大だと思っている』(225p)という珍しいデレが可愛かった(笑)。2019/02/04
モモ
50
読み終えた。深行の中3の夏。泉水子と同じ中学に通い始めた頃の話。ただ一人の自分の思い通りにならない泉水子に戸惑う日々。深行視点の話で興味深い。また真響から見た高校1年のクリスマス後の話。三つ子の一人の真澄の姿がついに祖父に認められる。また続編が出てほしい。続きが気になる。2020/05/21
hirune
48
本編終了後のスピンオフ、前半3遍は深行君の微妙な気持ちの変化がわかるし 中学高校の一風変わってても青春っぽいエピソードが楽しい♪後半の中編は 本編で出来上がった姫神チームのメンバー一人一人の実力と覚悟が試される事件が起こって読み応えありました!こんな個性的で魅力的な面々に再会できて嬉しかった♪ひとりが狙われると意外に脆い…でもそれをみんなで対処していくうちに強固なチームになっていくのだろうなと思いました☆2020/06/28
るぴん
47
母本。単行本既読。やはり真響視点の表題作が好き。多少打算的だとしても、真響のように自分の能力・役割を理解しつつ、空気を読めて気遣いのできる女の子は好きだ。初恋を未だ知らない彼女が、あの人と今後どうなるのかも気になるし、泉水子と深行のもっと甘々なシーンも読みたいし、やっぱり続編読みたいなぁ。阿部智里さんの解説は本当に読者の声を代弁していて、思わず頷いてしまった(笑)。2019/03/11