出版社内容情報
狂瀾怒涛の幕末。京都島原遊郭に育った美少年・椿は、生まれながらにして人を斬る術を心得ていた。ある日、椿は芹澤鴨という男と出会う。南朝の皇子を探す芹澤の存在が、椿の周囲を脅かし――。
内容説明
狂瀾怒涛の幕末の京都に、美貌の剣鬼がいた。その名は椿。天性の人斬りである椿は、幼馴染みの禿・小菊と共に遊廓で育った。育ての親で、遊廓の楼主の為右衛門には、別の顔があった。朝廷の威光と遊廓の資金力を元に、倒幕を企て、椿を利用していたのだ。一方、対立する新撰組も、椿を味方に引き込もうと画策していた…。暗闘が繰り広げられる中、椿の必殺剣が冴えわたる。驚異の新鋭が贈る、剣戟と色欲に満ちた新シリーズ!
著者等紹介
新美健[ニイミケン]
1968年愛知県生まれ。金沢経済大学(現・金沢星稜大学)経済学部卒業。2015年『明治剣狼伝西郷暗殺指令』(応募時「巨眼を撃て」)で第7回角川春樹小説賞特別賞を受賞しデビュー。同作は第5回歴史時代作家クラブ賞文庫新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
14
絶対負けそうにない主人公と、彼を取り巻く積年の陰謀。そして愛蔵渦巻く京都を舞台にした、ある種幕末オールスターメンバーとの会合は、歴史のびっくり箱を開けてしまったかのような爽快感。あんまりこの手の時代小説は読んでいないのだけど、この作品はあえて史実にも踏み込んでいきそうで先の楽しみが大きい。一見、お色気とエロ描写に目が行ってしまうが、背後に隠れる南朝復権の思惑はありそうで、あんまり描かれなかったテーマだけに不気味さが漂っている。これ、続編はあるんだろうけどどう収めるのだろうか?2018/04/20
niz001
8
帯の『峰隆一郎の後継者』の文字に魅かれて購入したものの「そうかなー?」って気分。伝奇色が強いからか?敵役が新撰組の芹澤派というのは珍しいか。2017/11/05
辺野錠
1
ベタな幕末ものかと思ったら南朝と言う要素が絡むのが面白いと思った。冒頭書かれる京の都の解釈も面白い。様々な実在人物が登場する他にも芹沢鴨VS岡田以蔵というドリームマッチが楽しかった。この話はプロローグと言う印象なのでこの先どうなってどう伝奇していくのかが気になる。2018/02/22
ぱんだモン
1
設定はユニークだし、主人公もどんな素性かと期待を持たせる人物だけに、彼が活躍する内容なのかと思った。こんなエロ系小説だとは装丁から分からなかったので、騙された感満載でしたが、男性読者ならとても面白く読めるかも! あとで著者がゲームライター出身と知り、なるほど納得な内容。2017/11/10
鮎
0
美しく強くある種の無垢な主人公の少年と周囲の欲望を抱えた大人達の対比が良い。2022/02/04