出版社内容情報
平穏に暮らしていたかに見えた西川家。だが飄々とした鍼治療師・祖問が家族の身体を見ることで、徐々に家族の問題が浮かび上がる……。野性時代フロンティア文学賞デビューの著者が満を持して贈る家族小説!
内容説明
使えない後輩、理不尽なクレーム処理、上司からの叱責…会社でストレスを抱える西川道隆は太りすぎで膝を痛め、「祖問鍼治療院」を訪れた。言葉遣いは荒いが、なぜか腕はいい祖問に、心と身体はつながっていると諭される道隆。やがて両親と姉たちとの関係に問題があることに気づいていく…。ヘンテコ鍼灸師・祖問が打つハリの意外な効果とは?期待の新鋭が描く、画期的なカラダ小説!
著者等紹介
未上夕二[ミカミユウジ]
1973年、大阪府生まれ。駒澤大学文学部英米文学科卒業。会社員を経て、現在、鍼灸治療院を経営、鍼灸師として活動。2014年、『心中おサトリ申し上げます』で第5回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ももんが
35
★★★☆☆西川道隆は会社でのストレスでどんどん太ってしまい、膝を痛めてしまう。そんな中「祖門鍼治療院」を見つけ風変わりな祖門大慶と出会い、治療をしてもらうのだが道隆以外にも西川家にはそれぞれに問題を抱えていた。 家族だからかけがえのない大切な存在でもあるけれど家族だからこそ本当の想いを伝えられない事ってあるよなぁ〜。祖門は口が悪いけど的を射ていて憎めないし、きっとこんな人も必要だなぁ〜と思う。ラストはそれぞれに答えを出して前に進んでいく姿にじ〜んときました。 2019/09/16
百太
25
鍼灸の小説、次作も有るといいな。奥田氏のイラブ先生むっぽくて笑えました。2018/11/21
のり
9
面白かった!腹を割って話せず、母親の虐待じみた逆ギレにも逆らえずバラバラの家族を、鍼灸院の祖問の治療と言葉で本音を引き出し形を変えていく……。親だから子供に何してもいい訳ではないし、自分だけが不幸だと腹立つのも違うんだよなー。虐待する人の言い分、使えない同僚や、相談できない悩み、この本には当たり前に存在する人々が登場する。2023/04/18
まさ公
7
奥田さんの伊良部先生とダブル感じではあるけれど、面白かった。実際に鍼灸の先生なのね。たくさんの人に知ってほしい作家さんです。2018/01/07
みぬむし
6
結構おもしろかった。ムカつくけど腕のいい鍼灸師、祖問。どことなく奥田英朗さんの伊良部先生を彷彿させる。 鍼治療が興味深い。2018/10/10
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