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サブカルの想像力は資本主義を超えるか

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041056721
  • NDC分類 361.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

私たちは、資本主義“後”の世界を構想できるか?構想力を鍛える白熱講義!歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。
しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。
これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。
資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することが出来ていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか?
いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか? 
社会現象を起こした有名作品(フィクション)を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録!
大澤社会学の最前線。


有名作品を入り口にして、資本主義社会の“その先”を考える。
第一部 対米従属の縛りを破れるか
取り上げる作品 『シン・ゴジラ』『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』他
第二部 善悪の枷から自由になれるか
取り上げる作品 『デスノート』『OUT』『薔薇の名前』他
第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか
取り上げる作品 『おそ松さん』『バートルビー』他
第四部 この世界を救済できるか
取り上げる作品 『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』他


まえがき
第一部 対米従属の縛りを破れるか
第二部 善悪の枷から自由になれるか
第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか
第四部 この世界を救済できるか
あとがき

大澤 真幸[オオサワ マサチ]
著・文・その他

内容説明

歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することができていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか?いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか?社会現象を起こした有名作品を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録!

目次

第1部 対米従属の縛りを破れるか(単なる作品の読解はしない;虚構の虚構性を上げる ほか)
第2部 善悪の枷から自由になれるか(あさま山荘事件の衝撃;善や正義に対する過剰な信仰は、逆に悪へと反転する ほか)
第3部 資本主義の鎖を引きちぎれるか(「くん」は「さん」にとって重要な背景になっている;お約束に反する、きわめてリアリティある展開 ほか)
第4部 この世界を救済できるか(無関係の極限と関係の極限に振れる;恋愛の特徴は、無関係から関係への劇的な転換 ほか)

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年長野県松本市生まれ。社会学者、思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)にて第61回毎日出版文化賞(人文・社会部門)を受賞。12年『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、共著)で新書大賞2012大賞を受賞。15年『自由という牢獄 責任・公共性・資本主義』(岩波書店)で第3回河合隼雄学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

28
既にたくさんのレビューがある通り、サブカルを扱っており、平易で率直な表現が多いので読み易いです。ただし、類書と異なるところあり、それが本書の優れたところです。第1部では、精神分析の学問的意義と歴史的経緯を丁寧に説明しています。そこでは、戦後日本の無意識の後ろめたさが「抑圧されている」ので、別の形で「回帰して」いるということであり、「暫く経ってから結果が出ることが」トラウマと似ていると、共同幻想に精神分析の手法を用いています。第2部では、カントの悪の3類型を例に出し、その3つとも異なる「善と悪が一致してしま2018/05/11

hk

16
世の中には完成度において申し分ないけれど「どこか辻褄の合わない物語」が氾濫している。小説からテレビドラマそして映画まで、いわゆるサブカルチャーにおいてはそれが顕著だ。何故そうなるのか?それは世の中がそもそも矛盾しているから、虚構を描こうにも相応のリアリティを持たせようとすればするほど現実の矛盾が表出してしまうためだ。本書では日米安保と憲法九条、国民国家体制とグローバル化といった世の中にある厳然とした二律背反が、ポップカルチャーの中でどのような矛盾として噴出しているのかを探っている。2018/04/13

かめぴ

11
2016年早稲田大学での講義のうち、人気があったものがこれ、らしい。「逃げ恥」が載ってる!と手に取る。爆。しかしながらそもそも題名からして意味がよくわからず・・単純に超えるだろうとは思った次第。シンゴジラ、君の名は。この世界の片隅にと絡めつつなんだが、昨今こう言うのって既にメインカルチャーと言ってもいいんじゃね的疑問を持っていたため、題名から躓く。ただ凄く興味深くは読めた。そして「アイロニカルな没入」という造語に思いっきり嵌まる。2018/06/15

スプリント

8
納得感よりもこういった考え方があるんだなという視野が広くなった感が強かったです。2018/11/25

ブック

7
非常に面白い本でした。ここでいうサブカルとは、今を暮らす我々にとってはとても身近にある「表現文化」のことで、映画やドラマ、小説のことを指しており、だからこそ入りやすく、また、世相をいちばん表しているのが、そういった表現文化なのだとも再認識した。「君の名は。」での隕石のくだりは、東日本大震災が被災者に与えた心情を感じさせるものだと私は解釈していたのと、二人が入れ替わることは「ずっと等距離」なので究極の近さだとは思わないので、私が生徒なら質問しただろうな、などと想像しながら読むのも楽しかった。2019/06/20

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