「日本」論―東西の“革命児”から考える

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041054741
  • NDC分類 304
  • Cコード C0014

出版社内容情報

「本書は、私の強い危機意識から 生まれた作品である」佐藤優の新境地!日本外交は、完全に敗北したーー。
「本書は、私の強い危機意識から生まれた作品である」(「まえがき」より)

この敗北の危機を日本が抜け出すことは出来るのか?
この乱世にいったい“平和”はどうすれば創れるのか?

いま、日本は急速に弱体化してしまう危機に陥っている。
北朝鮮に対する制裁と圧力を唱えていた日本外交は完全に敗北したからだ。
しかし、危機の時代は改造、革新、革命といった、人を動かす(時に人を殺しうる程の)力ある思想が生まれる契機ともなる。
平和はいかにして創り出すべきか? 
日蓮とルター。東と西の宗教改革の重要人物であり、誕生した当初から力を持ち、
未だに受容されている思想書(『立正安国論』と『キリスト者の自由』)を著した者たち。
変革の古典思想にして、未だ影響を与える改革者の思想を改めて見直すことで、
この乱世の時代を「日本」は、我々日本人は、いかに生き抜くべきかを考察する!

佐藤優にしか出来ない、宗教と日本をめぐる講義!!
・ルターを尊敬していたのはヒトラーだった。
・仏教にもテロリズム思想との親和性がある。
・シオニズムは共産主義思想と同じ場所から生まれた。etc.

優れた宗教思想には常に両義性がある。
変革の古典思想にして、未だ影響を与える二人の宗教改革者。
その“毒にも薬にもなる思想”から、
この乱世に“平和”はどうすれば創れるのかを考察する。

まえがき

第一講 東と西の革命児
「宗教改革」と「信仰分裂」/シオニズムは共産主義思想と同じ場所から生まれた/イスラエルと全世界のユダヤ人に対するメッセージ/クリスチャン・シオニズム/内村鑑三には日蓮的なものがある/江戸時代の「鎖国」は反カトリシズムだった/創価学会インターナショナルの無視出来ない影響力/点と線の意味づけによって複数の歴史が生じる/実証は出来ないが教義的には真正なもの/AI社会になればなるほど倫理の問題に直面する/宗教学と神学は仲が悪い/定量的なデータと人間の受け止め方の違い/上原専禄は「死者との連帯」を考えた/一生を東大攻撃に尽くした蓑田胸喜/『国体の本義』を書いた男/危機の時代に立ち返るべき人 etc.

第二講 改革と革新の源流
『立正安国論』の解説が難しくなるのには理由がある/仏教とテロリズムの思想の親和性/日本は内ゲバで相手を殺す傾向が強い/『立正安国論』は「下降史観」で始まる/信仰をめぐる全実存をかけた戦いはある/池田大作の解説と森友学園問題/免罪符は『闇金ウシジマくん Part3』の手口と同じだ/ルターを尊敬していたのはヒトラーだった/ルターの特徴は此岸的であること/映画『沈黙―サイレンス―』をプロテスタント的に語る/宗教は似ているところほど、どこも面倒である/ルターの教えと「ルター派」は違う/キリスト教の「教祖」はイエス、キリスト教の「開祖」はパウロ/未完の思想に苦悶は表れている/宗教改革は過去の歴史ではなく今も生きている/浄土真宗はプロテスタント的というよりもカトリック的/宗教を正確に見なければ、現実の政治と社会の動きは見えてこない

第三講 日本と革命
戦争の危機がかなり近づいている/東洋の革命は「易姓」/西洋の革命は「契約の更新」/日本で「革命」はあった/プロテスタンティズムは「他力即自力」/自分の「行為」を誇ることは「信仰」を失うことである/プロテスタント教会に「聖職者」がいない理由/『立正安国論』の問答形式に注目する/「先ず国家を祈って、須らく仏法を立つべし」を解釈する/「鬼神」はいつの時代にも暗躍している/行為の天井を設ける/「悪」のリアリティ/「此岸」によって「彼岸」を吸収していく/「隣人」とは具体的なものである/ルターも日蓮もテキストの重要性を強調する/為政者を感化する方向性/来世を重視する思想はテロリストが扱いやすい/優れた宗教思想には常に両義性がある etc.

 あとがき
 主要参考文献


佐藤 優[サトウ マサル]
著・文・その他

内容説明

いま、日本は急速に弱体化してしまう危機に陥っている。北朝鮮に対する制裁と圧力を唱えていた日本外交は完全に敗北したからだ。しかし、危機の時代は改造、革新、革命といった、人を動かす(時に人を殺しうる程の)力ある思想が生まれる契機ともなる。平和はいかにして創り出すべきか?日蓮とルター。東と西の宗教改革の重要人物であり、誕生した当初から力を持ち、未だに受容されている思想書(『立正安国論』と『キリスト者の自由』)を著した者たち。変革の古典思想にして、未だ影響を与える改革者の思想を改めて見直すことで、この乱世を「日本」は、我々日本人は、いかに生き抜くべきかを考察する!

目次

まえがき―日本外交は完全に敗北した
第1講 東と西の革命児(「宗教改革」と「信仰分裂」;トランプ発言の鍵;トランプが就任後に聖書を引用したのは初めてだった ほか)
第2講 改革と革新の源流(『立正安国論』の解説が難しくなるのには理由がある;「不受不施派」;日蓮はあらゆる既存仏教を学んだ ほか)
第3講 日本と革命(トランプは何をやるかわからない;戦争の危機がかなり近づいている;危機の時代に生まれてきた二人 ほか)
あとがき―モラル(道徳性)とモラール(士気)を再考する

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、以後東京拘置所に512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し、外務省を失職。05年に発表した『国家の罠』(新潮文庫)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』(新潮文庫)で第5回新潮ドキュメント賞、07年、第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデミン@もも

26
大学図書館。宗教はよくわからない。2018/10/24

いろは

26
マルティン・ルターの『キリスト者の自由』と日蓮の『立正安国論』から、この世界を読み解いていくという作品なのだが、我が家では、宗教はタブーということもあって、かなり臭い作品であった。しかし、それと同時に宗教の奥深さをが身に沁みた作品でもあった。例えば、キリスト教で、『隣人をあなた自身と同じように愛しなさい』という一文がある。文章は簡単に見えるが、実はこの意味は複雑で奥行きがあるのだ。それにしても、もう一度言うが、実に宗教臭い作品ではあった。しかし、宗教を通して解る世界というのもあり、宗教は根底に眠っている。2018/10/17

ゆうきなかもと

10
なかなか面白い。コスモポリタンである日蓮、ルターが同時にナショナリズムの源泉となりうるという指摘はもう少し慎重に考えるべきところかと思う。戦前から現在に至るまでの日蓮の影響力の強さには舌を巻きますな。それから、危機の時代に生きた日蓮やルターをベンチマークすべきという指摘は、コロナ禍における読書にピッタリフィットでした。2020/03/30

kenitirokikuti

9
図書館にて。刊行は2018年頭だが、元になった全3回の連続講義は2017年2月〜4月に行われた。2017年は宗教改革400年、そしてトランプ大統領就任の年であった▲トランプ就任演説にて、詩篇133-1の引用。続く節はシオンの丘に関するもの▲『立正安国論』について。『池田大作全集』第25、26巻は富士門流(日蓮正宗)の立場からの同書の講義。やはり流派間での解釈違いについては、当事者間の交流は乏しいようである。顕正会の末端に による折伏に遭遇したとき、「観音経」という言葉を知らないっぽかった経験ある。2019/10/15

Happy Like a Honeybee

7
読み手を選定する内容かもしれない。 ヨハンセンと陸軍中野学校の経緯が興味深かった。 オウム幹部の死刑執行が話題になっているが、国家と宗教のあり方にも考えさせられる内容。 戦前の大本教は国家に近づき過ぎたため、激しい弾圧を受けたと。 国家と適度な距離が必要か。2018/07/29

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