肉弾

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041053829
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

誰に望まれなくても、お前は生きろ。

内容説明

北海道のカルデラ地帯で孤立した青年が熊や野犬と戦い、人間の生きる本能を覚醒させてゆく―。圧倒的なスケールで描く肉体と魂の成長物語。

著者等紹介

河崎秋子[カワサキアキコ]
羊飼い。1979年北海道別海町生まれ。北海学園大学経済学部卒。大学卒業後、ニュージーランドにて緬羊飼育技術を1年間学んだ後、自宅で酪農従業員をしつつ緬羊を飼育・出荷。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

252
北海道。父と禁猟区に立ち入って熊を探す引きこもりの若者。人間の都合でオオカミと交配され誕生し結果人間の都合で捨てられたオオカミ犬。その他多くの捨てられた犬達はいつしか野犬となり群れとなる。そんな中父子は熊を見つけ出すが、父は敢えなく食い殺される。若者はなんとか逃げるが、オオカミ犬をボスとする野犬の群れに襲われる。若者は突如野生に目覚め、群れと闘い彼等を従える。そして熊との再びの対決。文字通り喰うか喰われるかの闘い。その勝負の行方は。読み始めたら止まらない、一気読み必至。命の力強さを改めて感じる作品だった。2024/07/08

おしゃべりメガネ

243
北海道は道東に在住の河崎さん作品第2弾です。前作『颶風の王』が三浦綾子文学賞を受賞しているだけに、今作も期待が高まります。今作はとにかく'サバイバル'な作風でした。色んな意味で本当に多岐にわたる'サバイバル'な展開がスピード感失うことなく進んでいきます。人間が残した自然界への影響ははかり知れないばかりで、本作を読みことで改めてしっかりと学ばせていただきました。ニートな青年がとある事情により、突如熊に襲われ、そのまま野犬にも襲われと、なかなかヘヴィなストーリーです。ただのパニック作品ではありませんでした。2017/10/27

なゆ

156
すごかった。文章から脳裏に拡がる、大自然の野生の真っ只中で生き延びることの厳しさと生々しさ。ニートで引きこもりのキミヤが、嫌々ついてきた父親との熊狩りで熊に襲われ、一人きり山中を彷徨う。まだ熊は近くにいるし、野犬の群れまで。さあどうする。読んでてまず感じたのは、人間というのはなんと罪つくりな動物だろうという事。鹿や熊の行動範囲が変わるのも、野犬の群れも、そこからなのだから。犬たちの複雑な気持ちが読んでて哀しくて。正直、違ったラストを期待してしまった。「他の誰も望んてなくても、生きてやれ、お前ら。絶対に」2018/04/04

Nobu A

143
河﨑秋子著書5冊目。17年刊行。漫画「銀牙ー流れ星 銀ー」の小説化と見紛う。言語化出来るのは筆者のみ。決して性別差別でなく女性の執筆にも驚く。筆者の文才には毎回驚かされる。羆に襲われ、野良犬にもやられそうになりながらも最後は彼らを仲間に付けて野獣と再び対峙し、喰われた親父の敵討ちを完遂する主人公。現実離れと思うなかれ、もしかしたらと思わせる周到で緻密な物語構築と展開。しかも人間の自然や動物に対する傲慢さも巧みに文中に織り込み、息を呑むとはこのこと。頁を繰る手が止まらず一気読み。興奮冷めやまぬ。味読堪能。2024/07/14

nanako

143
2018年の1冊目です! 作者が「言いたいことがたくさんある」んだってことが伝わってきました。 クライマックスが意外と唐突にきてしまった感じで、もう少しそこに至るまでの過程があっても良かったのではないかと、思いました。 主人公の父親ですが、不器用でうまく表現できないだけで、彼は彼なりに息子のことをとても大切に思っていたのだと思います。2018/01/02

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