内容説明
M県南端にひっそり浮かぶ謎めいたパノラマ島の夜空に、華麗に繰り広げられた見事な花火の饗宴。その真下では全裸の男女が微妙にからみ合い、男の両腕が女の細首をしめていた。やがて女の青ざめた指が弧を描き、空をつかんだ時、彼女のすき通った鼻孔から糸を引くように真赤な血のりが…。一介の貧乏書生が、全くの偶然を利用し、企だてた恐しい犯罪。ただ一人秘密を知ってしまった女に仕掛けられた罠は?悪魔に魅入られた男の凄じい幻夢を描く江戸川乱歩の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
18
面白いが万人におすすめはできません。ただ、江戸川乱歩の想像力と変態度の凄さが分かる作品。パノラマ島の欲望の世界の描写は美しく、エロティックで、気持ち悪い。また、盲獣は変態的でとにかく気持ち悪い作品。2016/12/12
†漆黒ノ堕天使むきめい†
11
パノラマ島奇談は江戸川乱歩の理想とする美術館について描かれているように感じ、その中でも、性欲に近い本能を揺さぶるような美術や欲望については盲獣に描かれているように感じました。2016/12/19
N.K
5
「パノラマ島奇譚」「偉大なる夢」「盲獣」が収録された一冊。どれもこれも狂気に満ちた思想が描かれており、今では出版できないだろうと思われる話ばかり。特に盲獣がヤバイ。芋虫もかなりやばいと思ったけど、これもヤバイ。フェチズムを語らせたら、乱歩の右に出るものはいないかもしれない。趣味嗜好以外の部分は「ここで語るには足りない」とか言ってバッサリカットしてあるあたり、潔さを感じる。狂気とホラーとサスペンスがごちゃ混ぜになった様な異様な空間。それが江戸川乱歩の世界なのかな。2015/11/02
削りくず
1
台詞の言い回しやテンポに、昭和特有のノリを感じる。「パノラマ島奇談」が一番気に入った。幻想的な絵画みたいで、なんとなくサイケデリック。そして何故かとても懐かしい感じ。「盲獣」はひたすら猟奇的な話だった。2015/02/13




