出版社内容情報
旅の仲間たちに襲いかかる、あまりに過酷な運命。大切なものを守れず、最後の希望さえ打ち砕かれ、無の境地でローランドは暗黒の塔に向かって歩きつづける……。長大な旅の果て、驚愕のラストが待ち受ける。
内容説明
ローランド一行が出会った、予知能力やテレポーテーション能力を持つ異能者たち。彼らの力を借りて“暗黒の塔”を倒壊させようとする勢力を阻止する計画は、果たして成功するのか?徐々に明らかになるNYに咲く薔薇の秘密、不穏な数字19の呪縛―。旅の仲間を次々に失い、ローランドは悲嘆も狂気も超越し、ただ虚ろだった。だが、彼は塔に向かう。ホラーの帝王が半生を賭して完成させた、魂を震わせるサーガ、堂々の完結!
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年メイン州生まれ。高校教師やクリーニング工場でのアルバイトのかたわら、執筆を続ける。74年に『キャリー』で長編デビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『シャイニング』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリー賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数
風間賢二[カザマケンジ]
1953年東京生まれ。幻想文学研究家・翻訳家。『ホラー小説大全』で第51回日本推理作家協会評論部門賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
22
ダークタワー最終巻の下。とうとうここまで・・。 いろんなことがあったなあ。高速電車とのなぞなぞ合戦、ローランドのやたらと長い一人語り、突然はじまるスタンダップコメディーショー、消しゴムで消されるラスボス。そして最後のNYでの再開に涙…。 長いけどキングファン(マニア)なら読む価値あり。全巻通じよかったのは仲間集結のIIと思い出話のIV。 本当はまだIV1/2があるので、ラストスパートがんばります。2025/04/08
秋良
19
とうとう最終巻。ロードオブザリングの終盤が辛く長かったように、キング版も長く辛い。仲間を得て孤独を癒された男が、また孤独になる悲哀。スザンナとの別れはスーザンとの別れより辛そうで、ずいぶんガンスリンガーも人間らしくなったんだと流れた時間の濃密さを思う。そして最後の最後に明かされる塔とローランドの真実。そんな仕打ちを?という気持ちと納得が混ざり合ったこの感じ。ウォルターとモルドレッドの死があっけないことに意味があったとは。今回のスザンナたちが再会できたのは良かった。2024/11/02
つきかげ🌙
18
ダークタワーを最後まで読み終わった。本シリーズは今では一般売りされておらず、図書館で探すしか無かった。英語で読んでいたのだが、細かいところを翻訳で確認できて良かった。2024/06/19
春ドーナツ
14
覚書。「壮絶な旅の果てに待ち受けるのは、希望か、絶望か―」(帯の惹句引用)*目分量で今日中に読破できるなと考えた瞬間から心拍数が上昇した。ゴールの白線が見えてきた高揚感と結末に対する緊張感が「いつもの」読書を妨げたのだ。数年前なら「読んだどー!」と波止場で両腕をYの字に広げて叫ぶところだけれど、今も通用するのかよくわからない。東映映画のオープニングみたいに白波がザッバアーン、とかね。訳者が指摘するふたつの賛否両論点。私はOKです。カリフォルニア・ロケットは塔のてっぺんに着陸することなく今も飛び続けている。2022/10/27
太郎丸
7
読み終えた後に湧いてくる感情が幸福感や達成感ではなく無情感というのは読書体験としてどうなのかと思うが、キングの言うように物語は結末ではなく、過程こそ意味があると考えれば、この無情感こそ作者の術中に見事にはまった証拠と言えるのかもしれない。そういう意味では、このシリーズとの出会いは決して悪いものではなかった2018/03/08