出版社内容情報
陸軍少将で俳人の父、かつて女優だった愛人。演出家がたぐり寄せた怪異とは「鵺王」。陸軍少将でありながら「ホトトギス」の俳人であった亡父の俳号だ。
自らも年老い、父に思いを馳せる演出家・充彦のもとに、四十歳年下の女から一本の電話が入る。いい加減、子どもを認知してほしい――。作家としても一線で活躍を続ける充彦だが、私生活は修羅の連続だった。最初の結婚が破談になった折、女優・弥勒黒美とのありもしない醜聞で放送局を退職に追い込まれた。愛人を同い年の演出家に奪われ、その娘しぐれを奪い返し、彼女との間に子を為した。心休まる時のない人生だったが、因縁の女優・黒美と句会で再会したことで、充彦の晩年に思わぬ変化が訪れる。女や父、芝居に小説を語り合い、和解したかに思ったのも束の間、黒美から充彦に宛て軍用トランクが送られてくる。中にあったのは父の字で〈尼港事件〉と書かれた封筒だった――。戦時下の外地で、父は高浜虚子の師事を仰いでいたのだろうか。時空を超え、忌まわしき過去の扉が開いてゆく。久世光彦を髣髴とさせる官能と怪奇、幻想。醜聞の果てに男が見た真実とは。
三田 完[ミタ カン]
著・文・その他
内容説明
「鵺王」。陸軍少将でありながら「ホトトギス」の俳人であった亡父の俳号だ。自らも年老い、父に思いを馳せる演出家・充彦のもとに一本の電話が入る。いい加減、子どもを認知してほしい―。作家としても一線で活躍を続ける充彦だが、私生活は修羅の連続だった。心休まらぬ日々の中、因縁のある女優・黒美と句会で再会したことで、晩年に思わぬ変化が訪れる。充彦に宛て、黒美から送られてきた軍用トランク。中には父の字で“尼港事件”と書かれた封筒が―。醜聞の果て、男が見た真実とは。
著者等紹介
三田完[ミタカン]
1956年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。NHKに勤務、ディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当。退職後、テレビ番組、音楽プロデュース等に携わる。2000年、「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞。『俳風三麗花』で第137回直木三十五賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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